オトメ*ドメイン 感想 考察 貴船柚子編part3
※注意 以降、ネタバレ要素を含みますので未プレイの方はご注意ください。
前回の記事↓
前回のあらすじ
無事二人の思いが実り付き合い始めた湊と柚子。
しかし柚子はもう一人のヒロイン、風莉が湊のことを好きだと気が付いてしまう。
柚子は風莉の方が湊に相応しいと思い、
その思いを誰にも告げず湊に別れを切り出す。
・・・
別れを切り出された湊は一人部屋にこもってしまいます。
そこに帰ってきた風莉さん。
柚子から話を聞いて真実を聞こうと湊のところへ駆けつけたようです。
風莉「湊は一人なんかじゃないわ・・・。あなたには、私がついているもの」
湊「やめてください・・・すがりたくなってしまいます。」
風莉「そう・・・ね。卑怯だわ・・・こんな言い方は」
風莉はずっと柚子を近くで見ていたからこそ、
柚子が本当に湊のことを好きである。
と湊に伝えます。
湊「・・・もしかしたらそうなのかもしれません」
「でも、柚子さんはボクのことより、お家の事情を優先したんです・・・それは変わりません。」
しかし、風莉はそれに続けて否定します。
それも違う。本当の理由が別にある・・・と。
この記事では紹介しませんでしたが、
風莉は付き合い始めた湊と柚子をずっと監視していました。
それは「二人が不祥事を起こさないように」という名目もありますし、
自分が湊と結ばれる可能性を確かめるという意味もあると思いますが、
一番の目的は「二人の関係をしっかり見守る」ということにあったと思います。
大好きな湊がこれから本当に幸せになってくれるか、その意味も込めて二人のことを見ていたのでしょう。
そして二人の関係をちょうど見極めるくらいのタイミングで柚子は風莉が湊のことを好きだと気が付いてしまいこの状況になってしまっているというなんともタイミングの悪い状況というわけです。
そんな風莉だからこそ、柚子が湊以外に何かを優先させることはないと言い切ったのでしょう。
そんな彼女は、こう続けます。
風莉「あの・・・ねえ、湊・・・」
「私ね・・・ひどいのよ?今がチャンスだって、思ってる」
「あなたの傷につけこむわ。大好き・・・。私なら、絶対にあなたを悲しませたりしないわ」
心からの彼女の告白。
「・・・返事、聞かせて?今すぐに」
「すぐに答えて。私と、柚子の・・・どっちが好き?私は、あなたの一番になりたいの」
これは、本当に彼女にとっての最後のチャンスです。
湊の気持ちをちゃんと確かめる最後の確認であり、一押しです。
ずっと二人を見つめていた彼女には湊がどんな答えを出すかわかっていたことでしょう。
湊「ごめん・・・なさい」
「風莉さんとは、お付き合い・・・できないです」
「・・・ボクが好きなのは、柚子さんですから」
風莉は自分の気持ちを告白し、すぐに返事を問いました。
これは湊の正直な気持ちを聞くためで、考えて答えを出してほしくなかったのでしょう。
そして、湊にとって誰が一番なのか、
それが他人の好意などで変わってしまうものなのかを聞きました。
これは自分にとって柚子がどんな存在なのか再確認させるためです。
ここで湊が少しでも振り向いてくれるのが風莉にとって最後のチャンスだったということですね。
そんな彼女が湊に最後の一押し。
風莉「あなたは、柚子が好きなのでしょう?他の人ではだめなのでしょう?それなのに、諦めるの?」
「迷っていても、悩んでいても、どうにもならないわ」
「待っているだけだと、手遅れになるわよ?私みたいに」
この柚子ルートの風莉は報われない結果ではありますが、本当にこのキャラクターの魅力が垣間見えるなあと思いました。
下手すると風莉ルートより魅力的な部分も見られるのでは・・・?と思ってしまう自分もいます。
風莉「女の子はね?いつだって・・・王子様がさらってくれるのを、待っているのよ?」
その言葉を風切りに湊は部屋を飛び出した湊でしたが、
既に寮に柚子の姿はありませんでした・・・。
・・・
実家に帰ってきた柚子
自分が残してきたいろんなものについて考えを巡らせます。
しかし、湊のことを思い返して、自分がしたことも思い返します。
その姿は無気力とでも言えばいいのでしょうか。
自分が一番大切にしていた人も、気持ちも捨ててきてしまったわけですから。
どうやっても拭いきれない後悔の念が彼女に残ります。
そんな風に家の外で考え事をしていた柚子でしたが、
そこに母から一本の電話が入ります。
「理事長さんと・・・お友達がもう一人、いらしてるわよ」
急いで帰ってきた柚子
柚子「・・・やっぱり、風莉さんと湊くんですか」
「どうしてこんなところにいるんですか?訳が分からないですっ」
柚子の母「いいから座りなさい」
柚子が来る前に柚子の母と湊、風莉はすでに色々な話をしていた様子でした。
湊が男であるということも。
風莉「湊、もう一度さっきの台詞言ってみたら?」
湊「えええっ・・・!?また言うんですかっ!?」
「あれって人生で一度きりだって思ってたんですがっ!」
柚子の母「ふふっ、でも柚子にも聞かせてあげたいわ」
「ほらほら、言っちゃいなさい?ここで言えないような気弱な人だと、認めませんよ?」
風莉「湊、無駄な抵抗は諦めなさい?」
湊「分かりましたよぉ・・・」
覚悟を決めて、姿勢を正す。
そうして、柚子さんのお母さんにまっすぐ目を向けて。
湊「お、おおおお嬢さんをっ!ボクに下さいっ!」
柚子の母「ということを、ついさっき言われたのよ?」
湊「い、言いました!返事はまだいただいていませんっ!」
柚子「なっ・・・ななななっ!?」
「ちょっ・・・なななに言ってるんですかっ!?私お見合いするんですよ!?」
どうやら湊たちが考えていた柚子の母という想像とはかけ離れていたようで
柚子の母親は将来結婚してくれる相手もいないだろうということで結婚相手を勧めていたそうです。
しかし結婚してくれる相手がいるなら万々歳と、二人の交際を認めてくれます。
しかし、今までお見合いを断り続けてきた柚子がいきなり受けると言い出したわけですから何か事情があるのだろうということで柚子の母と風莉は席を外し、二人きりで話し合う時間を作ってくれました。
湊「えっと・・・あの・・・お話・・・させていただけますか?」
柚子「はい・・・」
柚子「・・・ずるいです」
「外堀から埋めてくるなんて、本当にずるいです」
湊「すみません・・・。でも、柚子さんがお家の事情を優先なさるなら、これが筋かなって思ったんです。」
柚子「こうして、迎えに来て下さったのは・・・嬉しいです。でも・・・」
湊「あの・・・柚子さん」
「実は柚子さんに振られた後・・・風莉さんに告白されました。」
柚子「・・・そう、ですか」
湊「驚かないんですか?」
柚子「予想していた通りの展開ですから。でも・・・」
「・・・なのに、ここに来てしまったんですね」
湊「はい・・・お断りしました。ボクが好きなのは、柚子さんですから」
柚子「振られたのに・・・ですか?」
湊「たとえ柚子さんがボクをどう思っていても、ボクが柚子さんを好きな気持ちに変わりはありません」
柚子「そんなの・・・困ります」
湊「先に、お義母さんの方に言っちゃいましたけど・・・。後回しになってしまって申し訳ないですけど・・・」
湊「柚子さん・・・ボクの、お嫁さんになってください」
柚子「・・・・・・・・・」
「・・・お断りしたら、どうなりますか」
湊「ボクが不幸になります。全部忘れて、風莉さんと幸せに暮らすとか・・・ないと思います。」
柚子「・・・そう、ですか」
「もう・・・っ、まったくもう・・・っ!これじゃ断れないじゃないですかっ」
「ごめんなさい・・・、ごめんなさいですっ!」
「酷いこと言って、ごめんなさい・・・!遊びだったとか、そんなの嘘です・・・大嘘なんですっ!」
「大好き!私、許されないことしたのに・・・!それでも私を選んでくれてっ!嬉しいですよぉ・・・!」
「い、今さらっ、ですけど・・・!湊くんが好き・・・!許してもらえるなら、私っ、あなたのお嫁さんに・・・!」
湊「柚子さん・・・もう泣かなくていいですから」
「一緒に、帰りませんか・・・ボクらの家に」
柚子「湊くん・・・♪はい・・・はい・・・っ!」
「もう、一生ついていきますから・・・!」
・・・
そうして、柚子ルートは無事エンディングを迎えるわけです・・・。
では最後の部分をいろんな面から考察してみましょう。
実は今回の記事は引用を少なめにして自分の文章を多めに書いてみようと思ったのですが・・・やはり最後の部分と言いますか・・・作品の魅力的なところは自分の文章だけでは言い表せませんね・・・
外堀を埋める、という表現があったと思います。
これは柚子が表面上言っていた湊と別れるための理由を無くすということですが、
これにもたくさん方法はあったと思います。
つまりは柚子を正直に気持ちを吐き出す状況を作ればいいわけですから、
例えば「本当はそう思ってないですよね?本当の理由を教えてくれませんか?」
とか言ってもその表向きの理由を失くすことはできますからね。
しかし、湊はそれをしませんでした。
親に結婚させてもらう許可を取り、柚子がお見合いをしなくてはならないという理由を取っ払ったわけです。
これこそが湊のいう筋なのでしょうね。
そしてこの柚子ルートの一番の見所の二人で話し合うシーンについてです。
ここで一番素晴らしいなと思ったのは、柚子が湊になぜ別れようと言ったのか、その理由を一切聞いていないところなんですよ。
湊は柚子の実家に来てから色々なことを確かめていました、
それは柚子という人が本当に心優しい人間だということを確認し
柚子には何かしら湊と距離を取りたい理由があるのだということを知るために。
しかし、その理由は聞きません。
自分にとって柚子がどんな存在なのか。
柚子が思うような幸せは、相手は望んでいないし、それは叶わないと伝えるだけです。
柚子がどんなことを考えていようとも、自分が柚子のことが好きだということは変わらない。一番が柚子であるからこそ、柚子と結ばれることが自分にとって一番の幸せであるということです。
これは柚子の考えていた葛藤の答えになるんですよね。
相手にとって誰が相応しいか、そんなことは関係ないんです。
柚子が考える幸せは相手にとっての幸せとは限りません。
寧ろ柚子と結ばれることこそが唯一の幸せだと、そう答えているわけです。
いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー素晴らしい。
ここまで完璧なシナリオを魅せられてしまうと素晴らしいしか言えなくなってしまいます。
何も言葉を求めずにさらいに来た湊はまさに「王子様」でした。
私がさらに伝えたいことは、
「湊という主人公がいかに男らしいか」
ということなんですよ。
私は18禁PCゲームこそやるのはこれで二作目ですが、今までいろんなアニメを見て来たりゲームをしてきたりしました。
もちろんヒロインも魅力的なんですが、ここまで主人公が魅力的でキレイなシナリオを見るのは初めてくらいの衝撃でした。
その姿こそは女の子のように可愛らしいですが、
その行動は男らしく、筋が通っている。
これこそがオトメ*ドメインの最大級の魅力だと思うんですよね。
ここまで主人公に魅力を感じた恋愛ゲームは初めてかもしれません。
これから他のルートも交えて、その魅力について語っていきたいと思います。
ここまで見ていただきありがとうございました。
また見ていただけると嬉しいです。
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