オトメ*ドメイン 感想 考察 貴船柚子編part2
※注意 以降、ネタバレ要素を含みますので未プレイの方はご注意ください。
前回の記事↓
前回の記事で書いたことではありますが、柚子と湊が恋人として結ばれてからの続きです。
優しくて、明るくて、見た目と違いお転婆で、
でも自信は無くて、不器用で、
そんなヒロイン像が見えてきたのではないでしょうか。
そしてここからの展開として欠かせないのが
えっちなシーンですね。
前の最初のゲーム紹介の記事にも書きましたが、
えっちなイベントが来る度に深まっていく距離が非常に美しいんですよ。
なんて言うんですかね・・・ただ単にそういうシーンが描かれているわけではなくて、それが一つのコミュニケーションとして描かれているんですよ。
これが素晴らしい。
こういうゲームでしか描くことのできないことだと思います。
嬉しくもあり、恥ずかしくもあり、やっぱり少し火照って高揚してしまう。
そのヒロインが魅力的に見える瞬間だなあと、
一般的に出回る18禁のゲームは割とそういうシーンの心理描写はおざなりにされていると言いますか・・・まだ全然初めて間もないエロゲプレイヤーが何を言っているのかという感じですが・・・シナリオ上あってもなくても変わらないって場合が多いと思うんですね。
しかし、このゲームは、是非、飛ばさないで見てください。
既プレイで飛ばしちゃったよって方や、性的欲求に負けてあまり深く文章は読んでなかったよって方はもう一度プレイしてみて頂きたいです。
こればかりは記事で詳細に書くことはできません。
自分の目で、耳で、そのヒロインの魅力を感じ取ってください。
少しシナリオ考察とは脱線した話になってしまいましたね、
元に戻しましょう。
どんどん仲を深めていく柚子と湊。
しかしここで一つ問題が発生します。
柚子がある日、ヒロインの一人の風莉が湊の写真を大量に持っていることを見つけてしまいます。それも盗撮の写真でした。
柚子はその理由は「風莉が湊のことが好きである」からだと理解しました。
柚子の胸の鼓動は不安で乱れていきます。
風莉にはかつて第二寮を用意してもらったり、普段から友達として仲良くしている柚子ですが、本気になってる湊のことを手放すことなどできません。
そこで柚子がとった対策が「二人がラブラブなことを見せつけ、諦めさせる」という方法でした。
しかし、それに対して風莉は・・・心からの祝福で迎え入れました。
風莉「一緒に暮らそうって決めた時のこと(第二寮のこと)、覚えているかしら。」
「あの日、あなたは言っていたわ・・・よく覚えてる」
「恋がしたいって、泣きながら言っていたのよ」
「あの時の願い、叶えられた・・・?」
柚子「求めていた以上に、素敵な恋です・・・幸せですから」
風莉「そう、願いが叶ったなら・・・よかったわ」
「湊をここに連れてきて、よかった」
(風莉さんの言葉を聞いて、本当に唐突に気が付きました)
(どうして、風莉さんが男の子を転校させるなんて、無茶なことを実行したのか。)
(今の私には・・・恋を知った私には、よく分かります。)
(好きな人の側にいたかった。)
(きっと、本当はただそれだけの理由・・・なんですよね?)
(私って、酷い・・・。なのに・・・私が悪いのに・・・。)
(そんな心から祝福するような目で・・・見ないで。)
風莉「あなたになら、湊を任せられる・・・。湊が寂しくて泣いているところ、もう見たくないわ」
「湊のこと、幸せにしてあげてね?私からのお願いよ」
私はこの時点まで「風莉が湊のことを好き」というのはミスリードだと思っていました。
しかし、ここまでの文章の隅々に読めるポイントは隠されていましたね・・・それは恋をした柚子の共感です。同じ人を好きになった人同士にしかわからない共通の思いです。そこから柚子は風莉の感情を読み取ることができたのでしょう・・・我ながら平凡なミスリードをしてしまいましたね・・・。
風莉が去った後、
柚子「私、最低です・・・」
風莉さんは、湊くんの・・・好きな人の幸せだけを考えていました。
なのに、私と来たら・・・。
「・・・結局、自分のことばかり」
変わっていないです・・・まともに家事一つ出来なかった頃と、何一つ変われていないです。
「自分が好きなものを作って、自分が気に入らないから後片付けもしないで、他の人の迷惑なんてまるで考えていなくて・・・」
きっとそれが、醜い私の真実なのでしょう。
矮小で、自分勝手で、思いやりなんて、上辺だけの女。
「こんな私・・・大嫌い・・・」
「こんな最低の女っ・・・湊くんに相応しくないっ」
風莉さんみたいになりたいって、憧れました。
好きな人が一番幸せになれるように。それだけを考えて──
「だったら、私じゃないですよ・・・ねっ?」
その後日、柚子は湊を呼び出し、こう続けました。
柚子「実は・・・前に来ていたお見合いの話なんですけど。お受けしようと思うんです。」
「そういう家に生まれてしまった以上、仕方がないんです。」
「だから、ごめんなさい。」
「・・・別れ、ましょうか」
「私、学園は辞めて・・・結婚します。」
「ですから、湊くんも私のことは忘れてくださいね?」
湊「な、何をバカなこと言ってるんですかっ!柚子さん、ボクのものになってくれるって・・・!」
「身も心もボクのものだって、そう言ってくれたじゃないですかっ!」
柚子「そうですね・・・言いました。でも・・・」
「ふふふっ、あんな言葉を本気にしていたんですか?恋愛と結婚は別の話に決まってますよ?」
「私、結婚する前に一度だけ恋愛ごっこをしてみたかったんです」
「でもここって女子校じゃないですか?手頃な相手なんていないですし、困っていたんですよね」
「そんなときにあなたが私の目の前に現れた。女子校なのに、同い年の男の子で・・・私に好意まで持ってくれていて」
「都合のいい話ですよね?弱味も握っちゃいましたし、いつでも後腐れなく別れられる・・・。恋愛ごっこにはぴったりです」
「うーん、まあ・・・嫌いではないですけどね?」
「湊くんのことなんて遊びに決まってるじゃないですか」
「正体をバラされたくなかったら。別れて下さいね?」
そして柚子は、誰にも本当の理由を話すことなく学園を去ることを決意します。
と、ここまでをpart2で話す内容としましょう。
私も流石に第二作目となりどこで切ればエンターテインメントとして魅力的になるか理解してきましたよ。
さて、今回のシナリオ考察ですが、非常に胸が苦しくなる内容ですね・・・
ここで勘違いして頂きたくないのが、最後の部分だけを切り取って柚子が最低のヒロインであるという風に読み取らないでほしいということですね。
一番最初に説明した通り、「柚子」というヒロインは自信がない、自分が嫌い、そして不器用であるということですね。
それ以前の話をしっかり読み込んでいれば柚子は友達思い、他人想いな心優しい人柄であるということは間違いないと考えています。
しかし、自分への嫌悪感から自分の理想像である風莉とずれてしまうことで自己嫌悪に陥ってしまいがちです。
人っていうものは「自分が嫌いな人間を演じる時」が一番非情になってしまうんですよね。
今の柚子にはそれが当てはまっていると思います。
自分自身はダメな人間だ、醜く、矮小である。そう思いながら言葉を出してしまうと今のような状況になってしまうでしょう。
なによりこのヒロインは不器用ですから、自分で勝手に考えて間違った方向に進んでしまうんです。
次に今回の問題のポイントについてまとめておきましょう。
・柚子は自分が湊に相応しくないことが理由で別れようと決意した。
・柚子の自己嫌悪は簡単に解決できるものではない
・しかし柚子の本当の気持ちは周りの人間には一切伝えていない
以上の三点が挙げられると思います。
これらのポイントを踏まえて湊がどう行動していくのか、お楽しみください。
それでは今回の記事はここまでとさせていただきます。
ありがとうございました!
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