ノラと皇女と野良猫ハート 黒木未知ルート 感想 考察3
※注意 以降、ネタバレ要素を含みますので未プレイの方はご注意ください。
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3.物語後半
黒木が猫になり始めてからのお話です。
猫になりつつもなんとか生活していく二人、
そんな生活もあり、二人の距離はどんどん近くなっていきます。
特に物語中盤と比べてノラが未知のことを気にしているのがわかります。
そんな中、ノラたちの通う学園で盗難事件が多発します。
その事件をノラと未知は協力して解決しようとします。
ただし、猫になった未知と。
その猫になった未知の力を利用して何とか事件を解決に導きます。
しかし、そんな二人には常に問題が付きまといます。
それはもちろん、未知のお母さん。
ノラと仲良くしていることを知った母はそのことをよく思うわけがありません。
しかし・・・このルートの一番心苦しい部分ではあるのですが
序盤は常に不穏な雰囲気が付きまとうだけで何も問題は起こらないんですよね・・・
この時点では未知のお母さんはかなりの毒親だということは理解していたのですがどの程度までひどい人間なのかというのはあまり読めませんでした。
こんな生活はありましたが、未知が猫になったままではいい訳もなく、
再び二人をもとに戻す儀式が執り行われます。
上手くいったようにみえましたが・・・またうまくいかず・・・
今度は再びノラが猫化するようになってしまいます。
しかも人間に戻れないほどに強く
それとは別に、未知の家でもさらに不穏な動きがあり、
物語全体が混沌とした流れに飲まれていきます。
そんなノラを人間に戻そうと様々なことを考えるノラたちですが、
人間に戻す方法はわからないままです。
そこでノラを人間に戻そうと協力する未知に
未知の母も行動に出始めるようになります。
家を出ようとする未知を言葉でいなして、出られないようにします。
この時点でこの親は私が思っていたよりもひどく問題を抱えた親なのだと確信しました。
よく未知はこの歳になるまでこの家で育ってきたものだと思いましたね。
そんな未知に猫になったノラがコッソリと家に忍び込みますが・・・
未知はそんなノラにひどい言葉を浴びせてしまいます。
「いいですよね。母親のいない人は」と・・・
そんな中、さらに問題が重ねて起きるようになります。
この章の序盤であった盗難事件の犯人がノラではないかと疑われるようになります。
その事情を聴くために呼ばれた未知ですが・・・
教頭「君は彼らの知り合いなのか」
未知「いえ、知りません」
教頭「では君は反田くん(ノラ)を知っているかい」
未知「いえ、一度も」
未知「話したことすら、ありません」
心配して?来ていた未知の母がいる場所で嘘をついてしまいます。
この部分を明日原ちゃんルートと比べてなんだこのヒロインと思った人は無限に反省してください。
この未知ルートでは負の感情や家族のしがらみがメインとなってシナリオが進んでいるんですよ。
未知は母親から、ノラを好きになった今となった今では一番聞きたくもない言葉を毎日毎日聞かされているわけです。
しまいにはノラのやっている塾をおままごとと言う始末ですからね。
この母親許せねえ・・・
ここでは未知が家に縛られていると判断すべきでしょう。
ここで話に絡んでこないノラですが、ノラはどんどん元気がなくなっていき、猫化が進んでいる状況です。
未知は心を決めて、ノラを人間に戻す儀式へ協力します。
「反田くん」
「母が君の家のことを悪く言うのは知っていました」
「でも私にとって、キミの家は、私に大切なものを教えてくれた場所なんです」
「私にとって、友達が何かを教えてくれた場所なんです」
「なのに私は、それを言えなくて、一番大事なときに、一番、一番・・・大事なときに・・・」
「私、うるさいのがイヤで・・・母親にうるさく言われるのがイヤで、疑われるのがイヤで・・・」
「そんな人は知らないって・・・反田ノラなんていう人は知らないって」
「そんな人は友達じゃないって」
「私は母が喜ぶのを知っていて、キミを捨てたんです」
「だから、キミがもし人に戻ったら謝らなきゃいけないことがたくさんあるなぁ・・・って」
「謝らなきゃなって、たくさん謝らなきゃなって、謝らなきゃダメなんだって、考えれば考えるほどキミに会いたくなくて」
「そういう練習してこなかったから、謝らなくてもいい子だったから」
「でも謝んなきゃって。謝んなきゃいけないんだって思って。眩暈がして」
「一生、獣のままでいればいいって」
「一生話せなければいいって」
「ひどいんですよ・・・ほんとにひどいこと、平気で思うんです」
「このままじゃ私、大嫌いな母みたいな人間に・・・」
ノラが猫になったのは未知の思いのせいだったんですね。
さらに未知は家に縛られることにより自分の大嫌いな人間に考え方さえ染まってきているようです。
そんな未知は、
「反田君・・・ごめんなさい・・・」
「ごめんなさい。ほんとうに、ごめんなさい」
「ごめんなさい・・・」
「でも・・・」
「好きです」
「あの日、あなたと屋上で話してから」
「ううん、それよりもうんと昔から」
「もしかすると、私が好きなんていう言葉を覚える前から」
「好きです」
「好きです、あなたのことが」
「あなたのことが」
「好きなんです」
「でも、きっと、私と付き合えば、私と私の家が不幸にします」
「だから反田君、私はキミを、諦めます」
そんな未知にノラは一歩踏み出します。
ノラ「黒木さん」
「ぶっちゃけ逆ギレされて、はあ!?って思ってたし」
「しかもお前!!俺のことほったらかしで!!」
「マジでこいつ自分のことしか考えてねぇとか思ってたし!!」
「でも憎めないのはきっと好きだからで」
「お前は嫌かもしれないけど」
「それでも」
「それでも俺と」
「付き合ってください!」
ノラは相手を救いたいと思った瞬間に一歩踏み出すような人間ですからね。
未知の言葉とあきらめるという発言に対して自分の思いで返します。
そしてその未知は、
「このごに及んで何を言ってるんですか・・・」
「このごに及んで、キミは、何を」
思いに対して、思いで返します
「反田君!!」
「こちらこそ、よろしくお願いします!!」
「無理なもんか!!」
「貴方のことが好き!」
「寝ても覚めても好き!」
ここで最初の共通ルートの告白がくるわけですよ・・・
あの時、自分の口で言えなかった告白を・・・
では少し考察させていただきます。
まずは猫になる魔法についてですね。
未知の人間として話したくないという思いからノラは猫になってしまいました。
この世界の魔法は感情によっていろいろ左右されるようですね。
だからこそ一目惚れしたパトリシアがキスをするとノラの姿が変わってしまったのでしょう。
そうすると未知が猫になったのはノラのことが好きという思いから変化してしまったのではないかと考えます。
そっちのほうが萌える展開だとかいう考えはこの際排除しましょう。
つまりはこの二つは恋の魔法と言えるわけですね。
次に未知の告白についての考察です。
前半に言った諦めるということと後半の告白は全然言っていることが変わっているじゃないかと思う人がいるかもしれません。
しかしそれは違います。
前半部分は未知が「その家の人間」として話す部分であり、
後半部分は未知の、考え方が縛られていない個人の感情として話す部分なんですよ。
その思いは、好きだという思いは変わっていないんです。
ずっと昔から持ち続けている思い。
そんな未知が告白されて、返す言葉なんて
「無理なもんか!!」
しかないわけです。
今回は少し長くなりすぎたのでここで切って四部構成にします。
次回が最後ですね。
ここまで見て下さりありがとうございました。
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