ノラと皇女と野良猫ハート 全編考察
※注意 以降、ネタバレ要素を含みますので未プレイの方はご注意ください。
今回は全体を踏まえての感想や考察を述べます。
この作品は全体としての評価はゲームとして見てみると下がってしまいます。
私は基本的にシナリオを考察の基準として取り入れますのでその点で言えばシナリオの出来はそこまでよくなかったかと感じました・・・
それは未知編でも少し述べたことではありますが、まずギャグパートが非常に多く必要がないところでも多用されていて少しシナリオとしてはまとまりがないように感じられました。
さらに文章自体が少し読みづらい部類だと思います。
読むこと自体に結構抵抗はありました。
そして重要な部分ですが、文章のキャラクター性というものも進めている上で少し引っかかってしまいました。
例えば「黒木未知」というキャラクターと「明日原ユウキ」というキャラクターは全くことなるものでありその発言等はキャラクター性が重視されているものではありましたが、とても細かいところになってしまいますが「言葉遣い」がどのキャラクターでも均一になっているところが非常に気になりました。
言葉遣いはキャラクター性を決めるうえでは重要なポイントになってきますからその点でキャラクター性がフワフワしていたと思います。
シナリオ展開自体はこういったゲームでした見られないものであるためそこまで否定的な意見はありませんでしたが未知ルートだけが少し他の展開も見たいと思いました。
と、このように欠点もポンポン挙げられるのがこのゲームの両極端なところかと思います。
キャラクター、イラスト、シナリオ展開等魅力的なところもたくさんありますが欠点もたくさんあり全体としては評価が下がってしまう。
そんなゲームではなかったかと思います。
ゆえにこのゲームが好きな人間の気持ちも理解できますし、
そこまで好きになれなかったという意見も理解できます。
さて、それではこれから先は何を書いていくかというと、
このゲームに良さを感じた人間による、
このゲームの全体の考察をしていこうと思います。
まず最初に私が述べる論点から明らかにしておこうと思いますが、
今回の全体考察では恋愛感情の変化と成長に注目して話を進めようと思います。
既プレイの方はご存知かとは思いますが、このゲームでは一つ「生と死」が題材にストーリーが展開されていますがその点については特に触れずに考察をしようと思います。
この部分に関しては個人的にそこまで興味がないので・・・
気になる方は是非、他の記事の方を探してみていただければと思います。
この物語を語る上で参考にしたいセリフがあります。
未知ルートでフラフラしているノラを叱るシャチのセリフです。
シャチ「初めて恋を、したんですね」
「その人のすることを止めず」
「笑顔が見られるだけで幸せな気持ちになり、その人の喜びを自分のことのように喜び」
「憂うときは憂い、悲しむときは悲しむ」
「家族であればそれは普通のことなのかもしれません」
「ですが彼女は他人です。ノラさんとはなんの関係もありません」
「他人と他人が、家族以上に大切に想いあって」
「前に進み、相手の幸せを思いやり、笑顔が見たいがために奮闘する」
「きっと初めて、あなたは今、人を好きになったのではないでしょうか」
「愚かな過ちを犯しそうになっても気づかず」
「周りが見えなくなるくらい肯定し、背中を押す」
「それは本当に好きなんだと思います」
「恋という字にふさわしい、好きという気持ちを抱いたのではないでしょうか」
ノラ「・・・じゃあ今までは?」
ノラ「今まで俺、黒木のこと好きじゃなかったのかな」
シャチ「子どものままだったのでは」
「子どもの好きと、大人の好きは違います」
「今までは、ままごとのようなものだったのでしょう」
「ですが、もし気づいたのなら」
「節度ある恋をしましょう」
私は偶然、黒木未知ルートを最後にやったのですが、
このセリフを見た時にこれは未知だけではなく、
このノラととの話すべてに通用するセリフだなあと思いました。
このノラととのお話での好きという感情を非常に言い得ているでしょう。
つまりはノラととは
「子どもの好きから大人の好きに変わっていく恋愛物語」
なのです。
他人同士がお互いのことを思いやり、そして家族になっていく。
主人公とヒロインの成長の物語でもあります。
これこそがノラととを一言で表現できる言葉だと思います。
この暖かみこそがノラととの魅力。
非常にアンバランスなゲームですがその中にも非常に良いパーツを秘めているゲームでした。
次の新作ではより全体のバランスを底上げしたゲームが見てみたいと個人的に希望するところではあります。
以上が全編を通しての考察、及び感想でした。
ここまで見ていただきありがとうございました。