lowhigh物のゲーム見聞録

主にギャルゲー、エロゲ―の感想を語るウェブログです。既プレイ向けの考察を行っているため、未プレイの方は読む記事に注意してください。

オトメ*ドメイン 感想 考察 共通ルート編

※注意 以降、ネタバレ要素を含みますので未プレイの方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

今回は共通ルートに関しての軽い感想の記事にしようかと思います。体験版のみでカバーしきれる範囲ではないのでご注意ください。

このゲームは本当にシナリオの構成がキレイなので共通ルートだけの話をした上でキャラの個別ルートの部分まで別の記事でお話をできると思ってこういう記事構成にしました。

 

では本編の話に入っていきましょう。

 

 

簡単なストーリー説明とおおまかなキャラクター説明は公式サイトを貼っておきますのでご参照ください。

qualia.clearrave.co.jp

 

やはりこのゲームで真っ先に気になる部分は主人公が男の娘だということですね。

女子校で生活するようになった主人公の飛鳥湊は女装して過ごさざるを得なくなったわけですが、それゆえにこの共通ルートではヒロインとの距離が非常に近いです。

それが一つ良いポイントですね。

 

巷ではこのゲームで一番人気なのはこの飛鳥湊くんのようで・・・

美少女ゲーム大賞2016キャラクター部門ではなんとグランプリを取ったとか・・・

確かにこの主人公はヒロイン性能が完璧なんですよね。

家事完璧、真面目、世話焼き、ちょっとツンデレ要素あり、反応が可愛いなどとこのゲームに登場する変わったヒロインよりよっぽどヒロインをしているという始末。

ですが私がここで言いたいのはそれだけがこのゲームの魅力ではない!ということですね。それをこのオトメドメインの感想記事で伝えていきたいと思います。

 

次にこのゲームに登場する変わったヒロインたちを紹介しましょう。

まずはこのゲームのメインヒロイン

「西園寺風莉」さん

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西園寺 風莉|キャラクター|オトメ*ドメイン

 

でました、本作切ってのぶっ飛ばしヒロイン。

ゲーム開始早々にペットボトルに放尿をかまし、プレイヤーに大打撃を与えるその張本人です。

この画像を見ただけでこのゲームが他のゲームと一線を画しているということがよくわかりますね。

とりあえずこの女の子は常識外れすぎて思考回路、行動や感情などが支離滅裂で意味不明。

プレイしているときは主人公もプレイヤーも戸惑わずにはいられないでしょう。

 

ですがこう見えても家はお金持ちのお嬢様。

本人も通っている女子校の理事長を務めています。

おばあさんを亡くしたことで天涯孤独の身となった主人公をかつておばあさんがメイドとして家に勤めていたことから主人公を女子校に引き入れた人物です。

 

このヒロインは確かに奇抜な行動や発言に目が行ってしまう͡娘ですが、その魅力は何事にも全力であるということですね。

 

そして主人公とは「おばあさん」という過去のつながりを持つ唯一のヒロイン。

この娘が個別ルートでどんな物語を巻き起こすのか・・・

想像もつきませんね・・・

 

 

 

 

次に家事ダメダメ芸人

「貴船柚子」さん

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貴船 柚子|キャラクター|オトメ*ドメイン

 

なぜそんなに家事ができないのか・・・

そして何よりなぜそんなに自信満々なのか・・・

公式から「大和撫子だけどメシマズお嬢様」と言われてしまう始末。

ちょっと・・・いやかなり残念な女の子ですね。

 

家事ができないだけならよくないか?と思うのですが、自信満々の彼女は積極的に家事をしようとするので何をしても事故が起こってしまうんですよ・・・

そのせいで元々寮で暮らしていた柚子はある日料理をしたところ寮の中で悪臭が発生し追い出されてしまうということもありました。

それが原因で主人公たちが住む第二寮が作られたという経緯もあります・・・

 

基本的には可愛いお姉さんキャラで、見た目は完全にお嬢様・・・

なのですが・・・その中身はアグレッシブなお転婆娘。

なにか面白そうなことがあると何でも突っ込むヒロインです。

 

そんな彼女が物語でどう突っ込んでいくのか楽しみなところですね。

 

 

 

次に中二病ヒロイン

「大垣ひなた」ちゃん

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大垣 ひなた|キャラクター|オトメ*ドメイン

 

見た目からわかる通り中二病で自分のことを

東宝将軍ツァラトゥストラ」とよぶ女の子。

ヒロインの中では一人だけ年下の後輩です。

 

しかしながら根が本当にいい子なのですぐ中二病モードが解けてしまうという昨今増えてきた中二病キャラとしても少し残念な娘です。

 

中身は甘々な娘で、共通ルートで一度湊に助けられて以来湊のことを「おねえさま」と呼ぶようになります。

 

最近増えてきた中二病ヒロインですがこの娘はどんなお話が繰り広げられるのでしょうか。

 

 

 

これだけを見るとこのヒロインたちどこがええんや・・・って思うかもしれませんが

それは個別ルートをお楽しみにということでよろしくお願いします。

 

 

 

共通ルートではそんな彼女たちと女装をする彼が一緒に馴染んでいくまでが描かれています。

 

 

彼女たちは元からそれなりに問題を抱えていて、湊がやってきて一番の変化を与えるのがやはり第二寮の生活についてです。

 

お婆さんがメイドをしていたことから家事が完璧な湊。

おそらくこれから一人でも暮らしていけるように家事を叩き込んでいたのだと思いますが一般的な学生とは逸脱している家事能力の持ち主です。

 

第二寮は湊を除きヒロイン三名と顧問の先生の計四人で暮らしていましたがご飯は適当に出前を取ったり掃除もおざなりとなんともよろしくない状態でした。

 

世話焼きである湊はこの状況に耐えられず家事全般等を管理することになります。

これにより第二寮の生活は一変し、毎日湊が朝ごはんを作り、弁当も湊のお手製。

夜ごはんも当然湊が作ってお風呂の用意や掃除洗濯等もすべて湊が受け持つようになります。

ここはちょうど必要とされているところに収まったという感じでしたね。

 

次にヒロイン達の問題も少し明らかになります。

柚子は家事ができないというのが一番明らかな問題点ですが、

他の二人もそれなりに問題点を抱えていて、

 

例えばひなたちゃんはその趣味としゃべり方から当然のように女子校で馴染めるはずもなく、クラスで一切馴染めていないという状態です。

共通ルートではそのことに関して湊たちが友達を作ろうとひなたちゃんのために協力する機会があったのですが、彼女はそれなりに自分がどういう立ち位置なのか理解しているようで、自分の趣味が合わない人と友達になったとしても自分がいるだけで趣味の話ができなかったりするのは違うのではないかということで結局その問題は解決しないまま終わってしまいます。

彼女が非常に人想いの人間であるか、どれだけ自分のことを理解しているかということがわかりますね。

しかし男の子のような趣味を持つひなたちゃんは湊に対してはこの学園に来て以来初めて少し心を開ける人間のようで、趣味やその恰好を見ても嫌なそぶりを一切見せない湊のことを親しく思い始めたようでした。

また先ほどもキャラ紹介で話していたのですが湊に助けられたひなたは湊をおねえさまと呼び一気に距離が近づいてきてその甘えん坊な年下らしい部分も見せるようになりました。

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この辺が個別ルートでどう効いてくるかが見どころですね。

 

もう一人の風莉さんが一番共通ルートで変化を魅せるキャラクターです。

風莉さんはその理事長という立場から「自分が学生と仲良くするのは贔屓しているように見えるのではないか」ということで普段の生活では同じ寮の女の子たちとも学内ではあまり仲良くしないように心がけていたようでした。

また、こう見えて成績が非常によろしくなく、それは理事長というイメージからかけ離れているためそのことは周りの生徒に隠していたようです。

学内で本当に仲良くできる友達がいなかったという現状ですね。

そこに湊が一歩踏み出して、まずは湊が風莉の最初のお友達になるところから風莉の変化は始まります。

ときに二人は衝突することもありながら風莉は成長し、自分を周りにさらけ出せるようになります。

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ここまでヒロインの問題やその解決についても語ってきましたが、主人公にも問題があり、それは当然主人公が女装をしている男の娘だということです。

 

女子校で生活する中で自分が男であるということを秘密にしてヒロインたちをだましていることや男であることから存在そのものが迷惑になってしまっていること。

 

過ちを犯して、そして深く、実感してしまう。

自分が乙女の学園の中で、いかに異質な存在なのか。

やっぱりボクは・・・

──こんな場所に存在してはいけなかったのだ。

 

この辺りがこのゲームをとてもまじめに作っているなあと思うところで、

こういうシチュエーションを凝った作品はこのような感情的なものが置き去りにされていて違和感を感じる部分が多々あるのですが主人公が今の現状を真摯に受け止めてそれがダメだと考えているところは非常に良い部分だと思います。

シチュエーションにリアリティが生まれますよね。

 

他の人とも打ち解けてきた風莉さんを見て、

 

──きっと今、何かが変わった。

風莉お嬢様は、たぶん、もう大丈夫。

・・・ねえおばあちゃん

・・・僕はお嬢様の力になれたのかな?

だとしたならば、もうこれで、僕のお役目は・・・。

 

この問題の一番重要な部分は解決する術がないということですね。

主人公が男であるということ、その事実は変わりませんし、

その対策をすることも難しいです。

そしてなにより湊自身がここにいる意味を失っていること

この部分があり、湊はこの学園を去ることを決意します。

 

 

・・・ごめんなさい、風莉さん

 

黙って出ていこうとする湊ですがなにやら物陰からひそひそ声が、

 

ひなた「(クク・・・来たっ!まだ気づいておらぬぞっ)」

風莉「(ひなた・・・声が大きいわ)」

ひなた「(ごめんなのだ・・・そ、それより)」

風莉「(ええ・・・準備は万端よ)」

柚子「(それじゃ、行きますよー?せーのっ)」

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湊「なんの騒ぎですかこれ」

風莉「何って、ちゃんと言ったわよ?」

ひなた「本当に忘れちゃう人って存在したんだ・・・」

風莉「今日は湊の誕生日でしょう?」

 

ひなた「ほら、お姉さま♪準備万端だから、こっちきてっ♪」

嬉しそうに駆け寄ってきて、

ひなたさんが僕の手を引っ張ろうとして──

・・・でも、それで気づかれてしまう。

 

ひなた「おりょ?お姉さま、この荷物何?」

湊「あ・・・こ、これは・・・」

引きずっていた荷物を、慌てて体の後ろに隠そうとする。

・・・でも手遅れだった。

 

湊「あの・・・皆さんに、大事なお話・・・が・・・」

 

風莉「え・・・」

 

・・・あれ、おかしいな。

なんでだろう・・・?声が、出てこない。

 

ひなた「あ・・・わわっ、お姉さまっ?」

柚子「泣いて・・・いらっしゃるんですか?」

 

・・・え?

──言われて、ようやく僕は気が付いた。

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湊「あれ・・・?あれ?」

「な、なんで・・・。どうして、ボク・・・」

 

どうして泣いているのか、自分でもよくわからない。

ただ突然、胸が苦しくて──

 

そして唐突に、蘇る。

湊の母「ハッピーバースデー、みーちゃん!」

湊の父「・・・おめでとう、湊」

 

ずっと昔・・・お父さんとお母さんが、言ってくれた

 

祖母「大きくなったねえ・・・おめでとう、湊」

一年前の今日、おばあちゃんも言ってくれた。

二人きりで、お誕生会を開いてくれた。

 

湊「あ・・・あ・・・」

おばあちゃんの手の感触を、はっきりと覚えている。

・・・思い出して、しまった。

 

得体のしれない何かが、ずっと見ないようにしていた

その感情が、いきなり胸の奥から迫りあがってくる。

 

駄目・・・無理・・・。隠せない・・・あふれちゃう・・・。

 

湊「こんなの・・・ひどい・・・です・・・」

「おめでとう・・・なんて・・・そんなこと、言わないでください・・・」

「えぐ・・・っ、ボクに、優しくしないで・・・っ」

「だって、嬉しいから・・・!いろんなこと、思い出しちゃうじゃないですかぁ!」

 

幸せな記憶を、思い出して。

それを失ったことまで、思い出してしまって。

 

湊「ご、ごめ・・・なさい・・・、ボク・・・ボクはっ」

「あ・・・あ・・・、ああああぁぁ・・・・・!!」

 

──ずっと我慢していたものが、堰を切る。

止めようと思っても、熱い液体が目から溢れてしまう。

 

考えてみれば、おばあちゃんが死んでから、初めてだった。

 

湊「なんで・・・っ!今になって・・・!おばあちゃん・・・!お父さん・・・おかあさぁん・・・!」

 

今まで泣かずに我慢できていたのに、本当にどうして。

 

──僕は、一人ぼっちだ。家族なんて、もう誰もいない。

だから、一人きりで、強く生きていかなければいけないのに。

 

目の前に、与えられてしまった。

お誕生日おめでとうって、みんな嬉しそうに、

本当に気持ちを込めて、みんなが言ってくれた。

 

それはまるで、本当の家族のように思えてしまって。

無くしたはずの、諦めていたものを、見つけてしまって。

 

決して気づいてはいけなかったものなのに。

 

湊「こんなのっあんまりです・・・!だめっなのに・・・!」

「誰か、たすけてよぉ・・・。ひぐっ、あああああ・・・!」

 

取り乱して、もう泣くことしか出来なくなる。

子供みたいに、救いを求めて、みっともなく泣きじゃくる。

 

風莉「湊・・・、私、どうすればいいの・・・?」

湊「風莉・・・さん・・・、えぐっ、ああ・・・っ」

 

揺らいでいた感情が、引き付けられていく。

 

湊「ボクは・・・ボクは・・・、ぐすっ、でも・・・!」

風莉「いいから・・・言ってみて?」

 

そんなの、言ってはいけない我儘だ。間違っている。

 

湊「ぼ、ボクは・・・ここで・・・っ、みんなと、一緒に・・・!」

「ボクは、ここにいたいです・・・!このままずっと!」

 

きっと優しく受け止めてもらえるだろう。

そうして僕は、そのぬくもりに余計惑わされていく。

そんな予想をした、けれど。

 

風莉「・・・ねえ。私、少し怒っているわ」

湊「ふぇ・・・かざり・・・さん・・・」

風莉「勝手にいなくなるなんて、許さない」

 

少し高圧的な言い方に、むしろ救われたのかもしれない。

なぜならそれは、選択を求めていないから。

理性も、常識も・・・風莉さんが僕から取り上げてくれた

 

風莉「あなたは、私たちの側にいて。これは命令よ」

湊「ぐすっ、はい・・・、はい・・・!」

 

風莉「本当に、しょうがない子ね・・・。このままでいたい?

そんなの、いいに決まっている。当たり前でしょう?」

 

「だって、私たち・・・あなたのことが大好きよ?」

 

 

 

 ・・・・・

 

 

 

ここで共通ルートが終わり、個別ルートに入っていくわけですよ・・・

 

 

では少し考察していきましょう。

 

まずは今回の湊の問題点は先ほど述べたようにどうやっても解決できない問題です。

さらに風莉さんの人間関係の問題も解決し始めて、ここに存在している意義さえ見失いかけている湊。

そんな彼にふいに与えられた誕生日のお祝い。

昔の楽しかったころを、そしてそれを失っているという現状も思い出した湊。

そんな彼は涙が止まらなくなってしまいます。

そんな彼がなぜ「たすけて」と言ったのか、それは今まさにそれを失ってしまうからです。

家族のような温かい人たちに祝われて、しかしそれを今から失わなくてはならなくて。

それが同時に来ているから、助けを求めているのです。

 

アニメやゲームの主人公では天涯孤独という設定はよくありますが

あまりその部分を感傷に浸っている主人公はいませんよね?

このゲームはしっかりとその部分を描いているのです。

これは私の中ではとても素晴らしい評価ポイントでしたね。

 

今まで小さい感情表現はあったけれどもあまり強い感情を見せてこなかった湊がここのシーンで初めて強い感情を見せるわけです。

 

次にここにいたいと言った湊に対する風莉の発言について、

だいたいこういう状況に陥ってる人間に考えさせてしまうと良いことはないんですよね。

身寄りがいないその孤独感に常に苛まれている彼にこのままここにいてもいいのか?と考えさせても今回のようにネガティブな発想に陥ってしまうことが多いでしょう。

ここにいてもいいと認められたとしても、また考えてしまったときにやはりここにいてはいけないという考え方になってしまうと思います。

 

だからこその風莉の発言「あなたは、私たちの側にいて。これは命令よ」があるわけです。

湊に考えさせるのではなく、あなたがここにいたいのであればいてダメなわけがない。だからあなたは何も考えずにずっと私たちの側にいなさいということです。

 

 

いやーーーーーすばらしい。

この作品のスゴイところは感情表現の描写が非常にキレイで生々しいところなんですよね。

私はこういう部分こそがキャラクターを輝かせるのだと考えています。

 

共通ルートだけでここまでキレイなお話を聞かされて、

個別ルートが期待できないわけがないですよね!?

 

実は割とこの共通ルート自体と個別ルートの構成は似通っていて、

仲良くなる→問題発生→解決に導く

という流れで進んでいきます。

 

この構成も完成されていて非のつけようがありませんでした。

 

彼女たちに救われた湊が個別ルートで彼女たちを救い出す。

そんなお話です。

 

ちょっぴり残念な彼女たちですけれど、

そんなところも好きになってしまいますよね。

 

 

 

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感想レビュー 第二作目:オトメ*ドメイン

第二作目の感想、及び考察のレビューを行います。

LowHigh物と申します。よろしくお願いします。

 

今回は最初の記事ということでこのゲームがどんなゲームなのか、

未プレイの方にもその魅力が伝わるように書けたらなあと思っています。

 

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このゲームは一つ明確なコンセプトがありまして、

「残念なヒロイン」というかなり特殊な部分を売りにしているゲームです。

 

それはヒロインだけにとどまらず、なんと主人公も訳あって女装男子

主要な登場人物全員がおかしな人たちで構成されているのです。

 

攻略ヒロインは三人。

 

攻略自体も簡単で、まあある程度の倫理観に則って考えれば選びたいヒロインのルートに乗れるでしょう。

 

物語は女子校が舞台となっていて、

身寄りをなくした主人公をヒロインの一人である風莉が拾って、

本人が理事長を務めているお嬢様学校で生活するようになる。

 

というのが物語の大まかなあらすじです。

 

私自身が推したいポイントはいくつかあって、

 

まずはそのキャラクター。

個性的なヒロインばかりが集まっており、

さらに攻略できるヒロインは三人とかなりキャラクターを推すにしては

ツボにハマるような人の範囲が狭いのではないかなーと思っていましたが

ここに登場する三人のヒロインは全員魅力抜群。

残念なところも多い彼女たちですがその魅力に気が付けば

のめりこむこと間違いなしでしょう。

ただそのカバーできる範囲を主人公の男の娘がかなり占めているようですが・・・

 

そしてこのように奇をてらったキャラクター達と場面設定でありながら、

めちゃくちゃシナリオが読みやすいことですね。

このゲームはへんてこなポイントがたくさんあります。

というかそればかりです。

しかしシナリオ構成やその文章は一切奇をてらわず

非常にまともで読みやすい。

それもこのゲームの世界観を味わう上ではプラスポイントです。

 

最後にえっちシーンがシナリオの上で重要な転換ポイントになっていることです。

このような18禁のpcゲームは当然Hなシーンが登場してくるわけですが、

ここがシナリオ上読まなくても話が成り立つゲームは多くあるようです。

しかしこのゲームはそういうシーンを通してヒロインたちとの仲を深めていくという意味で重要な物語の転換ポイントとして組み込まれています。

これは非常に評価が高いポイントでこのようなゲームでしか表現できないヒロインの魅力を表現できていると思います。

 

以上三点がこのゲームの良いポイントですね。

コンセプト自体は変なものですが、

非常にバランスがいいゲームで特に大きな欠点はないゲームです。

 

この時点で強いて欠点を上げるとすれば

「BGM」の面でしょうか・・・

バリエーションも多くなく、欲しいところで効果的なBGMがなかったかと思いました。

BGMはゲームを構成する中の最後の最後でプレイヤーに伝わるときにその感動や衝撃の大きさを決めてくれるものであり、もう少しこの部分にいいBGMがあればボロ泣きしたかなーという場面も中にはありました。

 

 

さて、おおまかに私個人の意見は述べてきましたが要は一見にしかず。

このゲームも上に載せてある公式サイトから体験版をダウンロードすることができます。

 

是非、体験版をプレイしてみてこの娘可愛いなーとか、この娘と仲良くなりたいなーとか思うヒロインが見つかればこのゲームはあなたにとって一つ意味あるゲームになるでしょう。

 

 

ここまで見ていただきありがとうございました。

この後もオトメ*ドメインに関しても個別ルートの感想、考察を述べていこうと考えていますので既にプレイして頂いた方はそちらの方も是非読んでいただければと思います。

 

 

 

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ノラと皇女と野良猫ハート 全編考察

※注意 以降、ネタバレ要素を含みますので未プレイの方はご注意ください。

 

 

 

 

 

今回は全体を踏まえての感想や考察を述べます。

 

 

この作品は全体としての評価はゲームとして見てみると下がってしまいます。

私は基本的にシナリオを考察の基準として取り入れますのでその点で言えばシナリオの出来はそこまでよくなかったかと感じました・・・

 

それは未知編でも少し述べたことではありますが、まずギャグパートが非常に多く必要がないところでも多用されていて少しシナリオとしてはまとまりがないように感じられました。

 

さらに文章自体が少し読みづらい部類だと思います。

読むこと自体に結構抵抗はありました。

 

そして重要な部分ですが、文章のキャラクター性というものも進めている上で少し引っかかってしまいました。

例えば「黒木未知」というキャラクターと「明日原ユウキ」というキャラクターは全くことなるものでありその発言等はキャラクター性が重視されているものではありましたが、とても細かいところになってしまいますが「言葉遣い」がどのキャラクターでも均一になっているところが非常に気になりました。

言葉遣いはキャラクター性を決めるうえでは重要なポイントになってきますからその点でキャラクター性がフワフワしていたと思います。

 

シナリオ展開自体はこういったゲームでした見られないものであるためそこまで否定的な意見はありませんでしたが未知ルートだけが少し他の展開も見たいと思いました。

 

 

と、このように欠点もポンポン挙げられるのがこのゲームの両極端なところかと思います。

キャラクター、イラスト、シナリオ展開等魅力的なところもたくさんありますが欠点もたくさんあり全体としては評価が下がってしまう。

そんなゲームではなかったかと思います。

 

ゆえにこのゲームが好きな人間の気持ちも理解できますし、

そこまで好きになれなかったという意見も理解できます。

 

 

さて、それではこれから先は何を書いていくかというと、

このゲームに良さを感じた人間による、

このゲームの全体の考察をしていこうと思います。

 

まず最初に私が述べる論点から明らかにしておこうと思いますが、

今回の全体考察では恋愛感情の変化と成長に注目して話を進めようと思います。

 

既プレイの方はご存知かとは思いますが、このゲームでは一つ「生と死」が題材にストーリーが展開されていますがその点については特に触れずに考察をしようと思います。

この部分に関しては個人的にそこまで興味がないので・・・

気になる方は是非、他の記事の方を探してみていただければと思います。

 

 

この物語を語る上で参考にしたいセリフがあります。

未知ルートでフラフラしているノラを叱るシャチのセリフです。

 

シャチ「初めて恋を、したんですね」

 

「その人のすることを止めず」

「笑顔が見られるだけで幸せな気持ちになり、その人の喜びを自分のことのように喜び」

「憂うときは憂い、悲しむときは悲しむ」

「家族であればそれは普通のことなのかもしれません」

「ですが彼女は他人です。ノラさんとはなんの関係もありません」

「他人と他人が、家族以上に大切に想いあって」

「前に進み、相手の幸せを思いやり、笑顔が見たいがために奮闘する」

「きっと初めて、あなたは今、人を好きになったのではないでしょうか」

「愚かな過ちを犯しそうになっても気づかず」

「周りが見えなくなるくらい肯定し、背中を押す」

「それは本当に好きなんだと思います」

「恋という字にふさわしい、好きという気持ちを抱いたのではないでしょうか」

 

ノラ「・・・じゃあ今までは?」

ノラ「今まで俺、黒木のこと好きじゃなかったのかな」

 

シャチ「子どものままだったのでは」

「子どもの好きと、大人の好きは違います」

「今までは、ままごとのようなものだったのでしょう」

「ですが、もし気づいたのなら」

「節度ある恋をしましょう」

 

 

私は偶然、黒木未知ルートを最後にやったのですが、

このセリフを見た時にこれは未知だけではなく、

このノラととの話すべてに通用するセリフだなあと思いました。

 

このノラととのお話での好きという感情を非常に言い得ているでしょう。

 

つまりはノラととは

子どもの好きから大人の好きに変わっていく恋愛物語

なのです。

 

他人同士がお互いのことを思いやり、そして家族になっていく。

主人公とヒロインの成長の物語でもあります。

 

これこそがノラととを一言で表現できる言葉だと思います。

 

この暖かみこそがノラととの魅力。

 

非常にアンバランスなゲームですがその中にも非常に良いパーツを秘めているゲームでした。

 

次の新作ではより全体のバランスを底上げしたゲームが見てみたいと個人的に希望するところではあります。

 

 

以上が全編を通しての考察、及び感想でした。

 

ここまで見ていただきありがとうございました。

ノラと皇女と野良猫ハート 黒木未知ルート 感想 考察4

※注意 以降、ネタバレ要素を含みますので未プレイの方はご注意ください。

 

↓前回の記事

low-high-obj.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4.物語結末

 

ついに付き合い始めたノラと未知。

 

二人の恋人生活がスタートします。

 

 

この部分はやっていると心地よい人と、

いやー・・・ちょっと・・・と感じる人の二つに分かれそうです。

 

 

何しろこのヒロイン、異常にめんどくさい

 

 

あちらから学校では近づかないでほしいと言っておきながら距離を取り続けていると心配になって色々余計なことを考えるしと・・・

 

今まで見てきたヒロインの中でもずば抜けてめんどくさい!!!

 

一言で言って、めちゃくちゃ重い!!!

 

 

しかし!!!

 

その不器用さ!!!

 

いいじゃないですか!!!!!

 

もちろん現実でこんな女の子いたら私でも避けますけど、

ここは二次元の世界なんですよ!!!

 

初めて人を好きになって、どう愛せばいいかわからなくて

 

クソ真面目で不器用な感じがこのヒロインの魅力ではないですか!!!

 

 

ここはリアルではなく、もう一つの世界。

 

その中で、こんなにも不器用で、まっすぐな女の子を、愛してあげられませんか?

 

 

ちなみに私は愛せます。

 

大好きです。

 

重くて上等です。

 

 

もちろん、キャラの好みは人それぞれです。

 

未知がめんどくさくて流石にちょっと引いてしまったわ~という人の意見も十分理解できますのでそこは気にしないでください。

 

実際、相当癖のあるヒロインだと思います。

 

ただこのヒロインのこういう見方もあるのだということを知っていただければ幸いです。

 

 

その不器用なヒロインはやはり最初はノラと衝突します。

 

ですがそれも二人が言葉を交わす度、お互いのことを理解していき、

 

更に仲は深まっていきます。

 

 

ここからのイチャラブ生活・・・素晴らしい・・・

 

このヒロインの魅力は不器用でまっすぐなところというのが先ほど説明したところなのですが、

 

もう一つの魅力は本当に話していると面白いというところですね。

 

なんで彼女はここまで面白いのでしょう。

 

真面目でいつも本気だからこそなのでしょうが・・・

 

会話をするのが楽しいです。

 

この辺はプレイした皆さんであればわかることでしょう・・・

 

これ以上は多くを語らないことにします。

 

 

そんな幸せな日々が続きますが・・・

 

もちろんそれも長くは続かず。

 

未知の家に異変が訪れます。

 

見知らぬ男性が一人、いました。

 

歳は40代、不気味な雰囲気。

 

その日、家の中には今まですることのなかったタバコのにおいが漂っていました。

 

 

その後は、幸せな日々と暗く怪しい未知の家での生活が交互に続きます。

 

それは次第に混ざり、合わさり。

 

その不気味さが正体をあらわすようになります。

 

 

不気味な男は未知の母の再婚相手として家に来ていたようです。

 

しかし、未知に色目を使うようになり、

 

未知は不安や嫌悪、様々な暗い感情に押しつぶされそうになります。

 

しかしノラもそのことを知ったとしても、どうすることもできません。

 

 

そして未知の母と男は遠く離れた所に引っ越すことを提案します。

 

 そんな未知のことをノラは止めないんですよね・・・

 

ここはプレイしていた時もイライラポイントでした。

 

ノラはノラなりの考えがあって行動していることは理解していますしそれが今は亡き母と重なることもわかりますが・・・

 

それでもここはもっとしっかり考えてほしいところですよね・・・

 

なんというか・・・芯がない!

 

このルートのノラはずっと腑抜けですね。男らしさが欠片もない!

 

そう思いながらこのルートを進めていました。

 

 

 

未知はいろんな人に後を押され、引っ越すことを決意しますが・・・

 

しかしどういうわけか引っ越し先がたびたびと変わるわけですね。

 

未知が引っ越しを認めてから男の行動は変わり始め、未知の家はどんどん悪い状況へ変わっていき、

 

未知にも手を伸ばし、体を触り始めるようになります・・・

 

そして未知と男が二人きりになるとき、男はついに行動にでて・・・

 

ノラの家の電話が一瞬だけ鳴り、途切れる。

 

それを未知の電話だと確信したノラはパトリシアにお願いをして猫に姿を変えて未知の家に助けに行きます。

 

しかし猫になった非力なノラでは歯が立たず・・・

 

男に蹴り飛ばされて瀕死の状態になってしまいます。

 

未知はノラに駆け寄り声をかけ、涙を流した時、

 

ノラは巨大な黒い獣の姿にかたちを変えます。

 

ここで異変に気が付き駆け付けた警官にばけものになったノラは銃で撃たれ、

 

撃たれたノラは未知の家から飛び出しました。

 

銃で撃たれ死にかけのノラ。

 

未知はすぐに追いかけます。

 

力尽きようとするノラに対して未知は・・・

 

「はぁっ、はぁっ──」

 

「反田君っ、イヤです、イヤだ・・・」

 

「反田君、おねがい・・・返事・・・してよ・・・」

 

「してくださいよ・・・」

 

パトリシア「黒木さん、なぜ泣くの?」

 

「だって・・・だって・・・」

 

「泣けてくるんです」

 

「ただどうしようもなく、泣けてくるんです」

 

「なんでとかじゃないんです」

 

「こんなことあったら、泣けてくるじゃないですか」

 

「だって私は!」

 

「わたしは!」

 

「好きだから!!!」

 

「前略、ノラ様、私はあなたのことが好きです一生」

 

「なぜあなたのような人に恋をしてしまったのか、知りません。そもそもなぜあなたのことが好きなのか」

 

「一生かけてもきっとわからないのでしょう」

 

「せめて返事ができぬなら」

 

「返事が無理なら化けて出ろ!」

 

「涙を枯らして待ってやる!」

 

「時すら尽きてもまだ戻らぬなら」

 

「私の方から化けてもいい!」

 

「世界一の美女に化ければお前もさぞかし恋しかろう!触れたかろう!手、つなぎたかろう!」

 

「お前はどうだ!私は・・・つなぎたい・・・」

 

「つなぎたいよ・・・つなぎたいし・・・会いたいし・・・お話したいし・・・抱きつきたいし・・・」

 

「楽しいときは一緒に笑いたいし怖い時は一緒に怯えてほしいし、つらいときは半分こしてほしい」

 

「ノラ──」

 

「貴方のことが好き・・・」

 

「寝ても覚めても好き」

 

「アナタ以外ことなんて考えられない。男子の中でも一番好き。ずっと好き。ちょー好き」

 

「一緒に手つなぎデート、あと、キスもしたい・・・寝てるアナタにキスをして・・・まずはほっぺ、次におでこ、耳かき休憩をはさんで、次に唇・・・」

 

「そして舌と舌がちょっとぶつかるなんていう大人なキスもアナタとだけ試したいです・・・」

 

「だから、どうか、私と──私と付き合ってください」

 

「私の・・・一生モノでいてください・・・」

 

 

この告白が来るわけです・・・

 

ではここで少し考察を挟みたいと思います。

 

やはりここで理解しておいてほしいのは黒木未知というヒロインの本質

 

そして今までに起こった出来事ですよ。

 

黒木未知というヒロインは最初の告白を見てもわかる通りです、めんどくさいヒロインです。

 

さらには実はけっこう甘えっぽくて恋人同士になったときにはいつもベタベタしているようなヒロインです。

 

それを踏まえてこの告白。

 

しかしここまで歩んできた二人の道はそんな生半可なものではなくて、

二人はつらく、苦しい生活を送ってきたのでしょう。

 

楽しいときにいつも一緒に笑い合えましたか?

 

怖い時に一緒にいられましたか?

 

つらさを半分こ、できましたか?

 

未知はいつもそれを願っていた、

しかし現実ではそれが叶わなくて、

さらにはその命もすらも尽きようとしている。

 

これは未知の一生涯をかけた告白です。

 

たとえ化けてでも再びあなたと寄り添いたいという心の叫びです。

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この告白をシナリオの中に組み込んだ人間は天才だと思います。

 

面白くて笑って、うれしくて泣いて、悲しくて泣ける。

 

こんなセリフは見たことがありませんでした。

 

しかし・・・ここから後はあまり入れたくないんですよね・・・

 

 

 

告白や努力も虚しくぽっくり死んでしまうノラ。

 

ここらへんのギャグは本当にやめてほしい・・・

 

シリアスシーンとギャグパートはより明確に分けたほうが物語としてまとまりがいいと思います・・・

 

今まであまり否定的なことは言わないようにしましたがこの未知は思い入れがあるヒロインだけにちょっと許容できませんね・・・

 

その後、パトリシアの協力により未知は冥界へ赴き、死神としてノラを取り戻しに行きます。

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何が起こっているのかわかりませんよね?

 

大丈夫!私は今でも全然意味わかりませんから!

 

まずさっきのノラの展開も

 

え?わざわざ変化したのになにもせずに撃たれておわり?

 

って感じですよね。私もそう思います。それなら人間の姿で工夫して家に忍び込むほうがよっぽど賢いのでは・・・?

 

ちなみに自分なら警察に通報しますけどね。その辺がよくワカラナイ・・・

 

 

たしかに先ほど言ったように化けて出てはいるのですが・・・

 

私の中でどうしようもない現実には魔法や異世界の救いはあっていいと考えています

 

今回はどう考えても人間関係が問題になっていますからこれを異世界で解決するってのはシナリオの展開としてあまりいいとは言えないのではないでしょうか・・・

 

まず撃たれないような方法もあったと思いますし

引っ越しを他の方法で止めたり、母親を説得したり、

 

そんな風に人間関係は本人の力だけで解決したほうが美しいと私個人的には思うんですよ。

 

この未知ルートでとても残念だったのはその部分です。

 

私としては思い入れがあっただけに少し残念な結末となってしまいましたね。

 

 

冥界からノラを取り戻し、無事戻ってきたノラと未知。

 

例の男は結婚詐欺を持ち掛ける人間で未知の家を財産として狙っていたようでした。

 

未知を助けたノラに対して未知の母は感謝とこれまでの自分の思いを語りますが

クソBBAなのでどうでもいいですね。

 

 

ただ最後のエンディングの部分は良かったと思います。

 

未知は今までの家の呪縛からは解放され風紀委員もやめ、授業もたまに休んでしまう問題のある生徒になってしまいましたが・・・

 

その未知こそ自由な本人そのものという気がします。

 

 

一人の女の子が家という呪縛から逃れ、

 

人生を捧げるほどの恋をしました。

 

 

そう思うとこのルートをやってよかったと本気で思えてきます。

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以上が黒木未知ルートの感想、及び考察です。

 

すこし愚痴を垂れるような記事になってしまい申し訳ありません・・・

 

そういいたくなってしまうほどにこの展開は惜しすぎる・・・

 

ということで許してください・・・><

 

今までのルート考察では基本的に悪い部分はあまり含めないように感想と考察を述べてきました。

 

それは尺の問題上そのスペースがないからですね。

 

このゲームは良いところ悪いところがハッキリわかれている作品です。

 

次回はその全体像として既プレイの人向けに考察の記事を書きたいと思います。

 

それではここまで見ていただきありがとうございました。

 

↓他ルート

ノラと皇女と野良猫ハート パトリシアルート 感想 考察 - lowhigh物のゲーム見聞録

ノラと皇女と野良猫ハート 明日原ユウキルート 感想 考察 - lowhigh物のゲーム見聞録

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ノラと皇女と野良猫ハート 全編考察 - lowhigh物のゲーム見聞録

ノラと皇女と野良猫ハート 黒木未知ルート 感想 考察3

※注意 以降、ネタバレ要素を含みますので未プレイの方はご注意ください。

 

↓前回の記事

low-high-obj.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3.物語後半

 

 

黒木が猫になり始めてからのお話です。

 

猫になりつつもなんとか生活していく二人、

そんな生活もあり、二人の距離はどんどん近くなっていきます。

 

特に物語中盤と比べてノラが未知のことを気にしているのがわかります。

 

 

そんな中、ノラたちの通う学園で盗難事件が多発します。

 

その事件をノラと未知は協力して解決しようとします。

 

ただし、猫になった未知と。

 

その猫になった未知の力を利用して何とか事件を解決に導きます。

 

 

 

しかし、そんな二人には常に問題が付きまといます。

 

それはもちろん、未知のお母さん。

 

ノラと仲良くしていることを知った母はそのことをよく思うわけがありません。

 

しかし・・・このルートの一番心苦しい部分ではあるのですが

序盤は常に不穏な雰囲気が付きまとうだけで何も問題は起こらないんですよね・・・

 

この時点では未知のお母さんはかなりの毒親だということは理解していたのですがどの程度までひどい人間なのかというのはあまり読めませんでした。

 

 

こんな生活はありましたが、未知が猫になったままではいい訳もなく、

再び二人をもとに戻す儀式が執り行われます。

 

上手くいったようにみえましたが・・・またうまくいかず・・・

 

今度は再びノラが猫化するようになってしまいます。

 

しかも人間に戻れないほどに強く

 

それとは別に、未知の家でもさらに不穏な動きがあり、

 

物語全体が混沌とした流れに飲まれていきます。

 

 

そんなノラを人間に戻そうと様々なことを考えるノラたちですが、

 

人間に戻す方法はわからないままです。

 

そこでノラを人間に戻そうと協力する未知に

 

未知の母も行動に出始めるようになります。

 

家を出ようとする未知を言葉でいなして、出られないようにします。

 

この時点でこの親は私が思っていたよりもひどく問題を抱えた親なのだと確信しました。

 

よく未知はこの歳になるまでこの家で育ってきたものだと思いましたね。

 

そんな未知に猫になったノラがコッソリと家に忍び込みますが・・・

 

未知はそんなノラにひどい言葉を浴びせてしまいます。

 

いいですよね。母親のいない人は」と・・・

 

 

そんな中、さらに問題が重ねて起きるようになります。

 

この章の序盤であった盗難事件の犯人がノラではないかと疑われるようになります。

 

その事情を聴くために呼ばれた未知ですが・・・

 

教頭「君は彼らの知り合いなのか」

 

未知「いえ、知りません」

 

教頭「では君は反田くん(ノラ)を知っているかい」

 

未知「いえ、一度も」

 

未知「話したことすら、ありません」

 

心配して?来ていた未知の母がいる場所で嘘をついてしまいます。

 

この部分を明日原ちゃんルートと比べてなんだこのヒロインと思った人は無限に反省してください。

 

この未知ルートでは負の感情や家族のしがらみがメインとなってシナリオが進んでいるんですよ。

 

未知は母親から、ノラを好きになった今となった今では一番聞きたくもない言葉を毎日毎日聞かされているわけです。

 

しまいにはノラのやっている塾をおままごとと言う始末ですからね。

 

この母親許せねえ・・・

 

ここでは未知が家に縛られていると判断すべきでしょう。

 

 

ここで話に絡んでこないノラですが、ノラはどんどん元気がなくなっていき、猫化が進んでいる状況です。

 

未知は心を決めて、ノラを人間に戻す儀式へ協力します。

 

 

「反田くん」

 

「母が君の家のことを悪く言うのは知っていました」

 

「でも私にとって、キミの家は、私に大切なものを教えてくれた場所なんです」

 

「私にとって、友達が何かを教えてくれた場所なんです」

 

 

「なのに私は、それを言えなくて、一番大事なときに、一番、一番・・・大事なときに・・・」

 

「私、うるさいのがイヤで・・・母親にうるさく言われるのがイヤで、疑われるのがイヤで・・・」

 

「そんな人は知らないって・・・反田ノラなんていう人は知らないって」

「そんな人は友達じゃないって」

 

「私は母が喜ぶのを知っていて、キミを捨てたんです」

 

「だから、キミがもし人に戻ったら謝らなきゃいけないことがたくさんあるなぁ・・・って」

 

「謝らなきゃなって、たくさん謝らなきゃなって、謝らなきゃダメなんだって、考えれば考えるほどキミに会いたくなくて」

 

「そういう練習してこなかったから、謝らなくてもいい子だったから」

 

「でも謝んなきゃって。謝んなきゃいけないんだって思って。眩暈がして」

 

「一生、獣のままでいればいいって」

 

「一生話せなければいいって」

 

「ひどいんですよ・・・ほんとにひどいこと、平気で思うんです」

 

「このままじゃ私、大嫌いな母みたいな人間に・・・」

 

ノラが猫になったのは未知の思いのせいだったんですね。

 

さらに未知は家に縛られることにより自分の大嫌いな人間に考え方さえ染まってきているようです。

 

 

そんな未知は、

 

「反田君・・・ごめんなさい・・・」

 

「ごめんなさい。ほんとうに、ごめんなさい」

 

「ごめんなさい・・・」

「でも・・・」

 

「好きです」

 

「あの日、あなたと屋上で話してから」

 

「ううん、それよりもうんと昔から」

 

「もしかすると、私が好きなんていう言葉を覚える前から」

 

「好きです」

「好きです、あなたのことが」

「あなたのことが」

「好きなんです」

 

 

「でも、きっと、私と付き合えば、私と私の家が不幸にします」

 

「だから反田君、私はキミを、諦めます」

 

 

そんな未知にノラは一歩踏み出します。

 

ノラ「黒木さん」

 

「ぶっちゃけ逆ギレされて、はあ!?って思ってたし」

 

「しかもお前!!俺のことほったらかしで!!」

 

「マジでこいつ自分のことしか考えてねぇとか思ってたし!!」

 

「でも憎めないのはきっと好きだからで」

 

「お前は嫌かもしれないけど」

 

「それでも」

 

「それでも俺と」

 

「付き合ってください!」

 

ノラは相手を救いたいと思った瞬間に一歩踏み出すような人間ですからね。

 

未知の言葉とあきらめるという発言に対して自分の思いで返します。

 

 

そしてその未知は、

 

「このごに及んで何を言ってるんですか・・・」

 

「このごに及んで、キミは、何を」

 

思いに対して、思いで返します

 

「反田君!!」

 

「こちらこそ、よろしくお願いします!!」

 

「無理なもんか!!」

 

 

「貴方のことが好き!」

 

「寝ても覚めても好き!」

 

ここで最初の共通ルートの告白がくるわけですよ・・・

 

あの時、自分の口で言えなかった告白を・・・

 

 

 

では少し考察させていただきます。

 

まずは猫になる魔法についてですね。

 

未知の人間として話したくないという思いからノラは猫になってしまいました。

 

この世界の魔法は感情によっていろいろ左右されるようですね。

 

だからこそ一目惚れしたパトリシアがキスをするとノラの姿が変わってしまったのでしょう。

 

そうすると未知が猫になったのはノラのことが好きという思いから変化してしまったのではないかと考えます。

 

そっちのほうが萌える展開だとかいう考えはこの際排除しましょう。

 

つまりはこの二つは恋の魔法と言えるわけですね。

 

 

次に未知の告白についての考察です。

 

前半に言った諦めるということと後半の告白は全然言っていることが変わっているじゃないかと思う人がいるかもしれません。

 

しかしそれは違います。

 

前半部分は未知が「その家の人間」として話す部分であり、

後半部分は未知の、考え方が縛られていない個人の感情として話す部分なんですよ。

 

その思いは、好きだという思いは変わっていないんです。

ずっと昔から持ち続けている思い。

 

そんな未知が告白されて、返す言葉なんて

 

「無理なもんか!!」

 

しかないわけです。

 

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今回は少し長くなりすぎたのでここで切って四部構成にします。

 

次回が最後ですね。

 

ここまで見て下さりありがとうございました。

 

↓次の記事

low-high-obj.hatenablog.com