オトメ*ドメイン 感想 考察 西園寺風莉編
※注意 以降、ネタバレ要素を含みますので未プレイの方はご注意ください。
皆さん長らくお待たせいたしました。
オトメ*ドメイン最後の個別ルート西園寺風莉さんの記事です。
ただ・・・このルートのシナリオはわかりやすいので考察の余地がなさすぎる!!!
前回のゲームノラと皇女と野良猫ハートの夕莉シャチと同じ現象が起きましたね・・・
あっちとはまた少し違った感じの考察する余地がないって感じですけどね・・・
まあ要はわかりやすいんですよ。
思考回路こそ意味不明な風莉さんですが、感情表現をストレートに伝えてくるので考察の余地がないんですよね。
ですが、おそらくこういう風にストレートに伝えてくれなければ風莉さんの思考を読むためにはかなり長いことプレイしないといけませんからハーフプライスのこの作品では寧ろこのような方法を取る方が妥当と言えるかもしれませんね。
さて、私がこのルートをプレイした印象ですが、
「この二人のために作られたゲーム」
という印象が強かったですね。
他のルートも素晴らしい心理描写とシナリオだったと思いますが、このルートに関しては世界観そのものがこの二人のためにできているようなものだったのでその点から考えて二人のためのゲームということですね。
このルートを一言で説明するならば・・・
「世にも不思議な初恋」って感じですかねえ・・・
このルートの一押しポイントと言えばイラストの美麗さですよね。
このルートのイラストは他のルートより一際力が入っていて素晴らしいの一言に尽きますね。館川まこ先生のイラストが素晴らしいですよね・・・
そしてこの風莉ルートのシナリオ構成はジェンガのようにひとつひとつ、積み上がっていくんですよね。
そして遠くから見てみれば、過去に積み上げたものの上に出来上がっている。
そんな感じです。シナリオ構成の出来がキレイです。
このルートをプレイした人で
「いや、こんなにやろうとすること上手く行くわけないでしょw」
って考えた人はいますでしょうか。
そう考えるのは少し早とちりと言えるかもしれません。
この物語の最初を思い出してほしいんですよね。
風莉さんは理事長として他の生徒と距離を取って接していた風莉さんが共通ルートで変わり始めて、個別ルートに入ってからたくさんの努力をしてきた。学校のために、一人の生徒のために行動してきたんですよ。その努力は決して無駄ではなかった。
その努力が、人としての魅力が人の心を動かし、結果に繋がったんですよね。
風莉さんはこのゲームが始まってから明らかに変わり始めている。
その側にずっといたのが湊なんですよ。
湊と再会し、湊と暮らし始めて、湊と恋をして。
そしてここまで成長してきた証なんですよ。
つまりこのルートには一切無駄は無いんです。
素晴らしい人情物ストーリーだと思います。
まあわかりやすいのでそこまで説明する必要もないと思いますけどね。
一人ぼっちで寂しかった僕たちだけど、
こうして大切な人と寄り添って、手を繋いでいれば──
きっと、どこまでも歩いていけるだろうから。
風莉さんルートの紹介記事はここまでとさせていただきます。
いやーこのゲームのメインルートに相応しいシナリオだったと思います。
次回はオトメ*ドメインのまとめの記事を書かせていただきたいと思います。
ここまで見ていただきありがとうございました。
また見ていただけると嬉しいです。
↓他ルート
オトメ*ドメイン 感想 考察 貴船柚子編part1 - lowhigh物のゲーム見聞録
オトメ*ドメイン 感想 考察 大垣ひなた編part1 - lowhigh物のゲーム見聞録
オトメ*ドメイン 全編考察 - lowhigh物のゲーム見聞録
オトメ*ドメイン 感想 考察 大垣ひなた編part3
※注意 以降、ネタバレ要素を含みますので未プレイの方はご注意ください。
↓前回の記事
前回の事件からお嬢様モードで過ごすようになったひなた。
それは事情を知っている湊にとってはただならないことで、あれほど人形に戻るのは嫌だと言っていたひなたが今そう振る舞っているわけですからそれが世間からみた成長であったと理解しても納得することはできないでしょう。
ある日湊はひなたから求められたところを断ってしまいます。
ひなた「どうして、何もして下さらないんですの・・・?」
湊「今のひなたさんは・・・別の人みたいに思えるんです。」
ひなた「わたくしは・・・大垣ひなた、ですわ・・・」
湊「分かっています。でも・・・ボクの中では別の人なんです」
湊「今のひなたさんも、素敵だと思います。好きだって言ってもらえるの、嬉しいです・・・。最初から恋をやり直したら、また好きになると思うんです。」
「でも、ボクが好きになったひなたさんとは、別の人に変わってしまったから・・・」
ひなた「・・・大人になるのは、変わることだと思うんです。」
湊「・・はい」
ひなた「今さら、元には戻れない・・・ですわ・・・」
ひなたさんは、大人になってしまった。
彼女には、今さら子供に戻るつもりはないし、僕も戻るべきだとは思わない。
だから・・・だから・・・。
ひなた「今のわたくしを受け入れて頂けないなら・・・。仕方がないですわ・・・。」
「わたくしは今も・・・お慕いしていますわ」
「好きです・・・。でも、お姉さまが嫌になったのなら」
「ふふ・・・、いつでも、お別れを言って下さいね?」
・・・
ここは非常に重要なポイントですよね。
このゲームに登場するヒロインはなにかしら変わったところを持っているヒロインしかいないわけですがひなたは残念なポイントという意味では一番平凡なヒロインかもしれません。
しかし、このゲームの中で一番周りの人間に溶け込めていないのは間違いなくひなたと言えるでしょう。そんな彼女が今こうして周りに適応できている。それを言葉一つで止められないと思うんですよ私は。
確かに事情を知っている人からすれば今のひなたが最も良い状況であるとは言えません。それは当たり前です。ただ今ここで「元に戻ってください」というのはあまりにも残酷すぎると思います。
それは相手のことを本当に思いやった言葉ではなくただのエゴ。
自分が好きになった女の子が変わってしまった、だから戻れ。
それはこちら側の単なる欲望でしかないと思うんですよ。
戻ったところで周りに溶け込めていない状況は変わらない、そうしたら誰が責任を取ってくれる?その覚悟は?
本当に彼女のためを思ったとすればここで元のひなたさんに戻ってくださいなんて言葉は言ってはいけないと思います。
それはこのもう少し後のクラスメイトとの会話を見てもわかることでしょう。
それゆえに今の湊の葛藤というものは妥当なものだと思います。
決して軽い気持ちで「元に戻ってください」という言葉は発していないんですよね。
ただ、今の彼女では答えることができないという否定だけをしている。
少しふっ切れないところはあるかもしれませんが、ひなたのマイノリティをしっかり理解した上での行動だと思います。
・・・
部屋に戻ってきた湊は風莉と相談を始めます。
風莉「本当に・・・湊って、いい子だと思うわ」
「誰にでも優しくて・・・尽くしてくれて。他の人の幸せとか、将来とか、そういうところまで大事にしてくれて」
「そんなあなたは、きっと正しいのだと思うわ」
「だけど、時々はいいんじゃないかしら?」
「我が儘を言っても。間違ったことを言っても、いいと思うの」
「ねえ、教えて?あなたは、何を望んでいるの?」
「あなたの幸せは・・・どんなこと?」
湊「身勝手・・・ですけど・・・。元の、中二病のひなたさんに戻って欲しい・・・です。」
「ボクが好きになった、ちょっとおかしな女の子に、戻って来て欲しいです・・・」
「変わってなんか・・・大人になんてなって欲しくない!」
風莉「そう。なら、あの子には元に戻ってもらいましょう」
間違いだらけの本音を、風莉さんは至極アッサリと肯定してくれた。
風莉「ひなただって、以前の方がずっと楽しそうだったわ。だから私も、その方が良いと思うの」
湊「はい・・・、はいっ!」
・・・
ここで多くのプレイヤーが望むであろう結末を「間違い」とハッキリ言えるところ、素晴らしいと思います。
やはり風莉さんは自身のルート以外すべてで湊の最後の一押しをしてくれるんですよね。他のゲームでいうところの親友ポジションが風莉に変わるのだと思いますがホントにいい味出してるんですよこれが・・・
さて、そんな風莉が間違いといったその湊の本心。
湊本人が「身勝手」と言っているのが非常に印象的です。
先ほどひなたに直接言えなかった、言ってはいけなかったその言葉を引き出し、物語は最終局面へ向かっていきます・・・
・・・
突然風莉に体育館へと呼び出されたひなた
ひなた「あのぉ・・・風莉お姉様・・・?」
「な、なぜ真っ暗なんでしょう・・・?すみません、誰かいらっしゃいませんか・・・?」
「あら・・・?舞台の方で・・・何か・・・」
どうやら僕の気配に気づいた様子。
ちょっぴり不安そうに、一歩、二歩と近づいてくる。
・・・さあ、いよいよだ。
本当にこんなことで解決するのか。正直なことを言うと、自信なんてあんまりない。
ドン引きされたら、恥ずかしいだけの黒歴史になると思う。
──でも、きっとそれでもいいのだろう。
だって、今の僕が求めるものも、ただ恥ずかしいだけの黒歴史なのだから。
ひなた「すみません、これって一体・・・」
そして、決めてあったラインを──彼女は踏み越えた。
湊「ククク・・・ハハハッ!!!よくぞここまで辿り着いた!東方将軍ツァラトゥストラよ!」
ひなた「ふにゃっ?えっ・・・ええっ・・・?」
湊「我が名は魔王ミナト!!!千年の眠りを経て、今こそ目覚めの刻を迎えた・・・!」
「四天王が一人、東方将軍よ!我に従え!今こそ明かそう──我こそがそなたの主であるっ!!!」
ひなた「~~~~っ!か、カッコいいのだっ!」
湊「フ・・・、我がカッコイイ・・・?そのようなこと、当たり前であろう──」
「しかし、我が暗黒の波動は流石であるな。こうも簡単に干渉できるとは、クク・・・」
ひなた「干渉・・・と申されますと・・・」
湊「そなた、真の姿を取り戻しつつあるだろう?」
ひなた「へっ・・・?」
「あ・・・あ・・・」
ちょっと混乱した様子で、自分のほっぺたをつまんだりしてあたふたするひなたさん。
我に返ってしまったらしく、大きく深呼吸をして、
ひなた「・・・これは何のお芝居ですの?」
「お姉さま・・・恥ずかしくないんですの?」
湊「恥ずかしい・・・?恥ずかしいだと?そなたはそう尋ねたのか?小さき者よ・・・!」
「恥じらいなど・・・!!初めてスカートをはいたあの日に捨て去ったわっ!!!」
「あの日の屈辱に比べればっ!むしろ今の我は最高だっ!カッコイイ・・・!可愛いなどと言われたくなかったっ!」
ひなた「な、何も言えませんわっ・・・」
湊「だが、そんな我に比べて・・・今のそなたはどうだっ!忌むべき姿ではなかったのか?己に満足していると断言できるのかっ!」
ひなた「・・・それは」
「・・・それでも、これでいいんですの」
「お姉さまも、わたくしも。大人になりましょう・・・?下らない演技は、もうおしまいですわ」
湊「笑止ッッ!!!!」
「愚か者がッ!今のそなたが演技をしておらぬとでも?かつて自ら否定した、滑稽な芝居に過ぎぬではないかッ」
ひなた「そ・・・それは・・・」
湊「否と申すなら、心より誓って断言してみせよ!今のそなたが、真の大垣ひなたであるとなッ!」
ひなた「い・・・今の、わたくしが・・・」
湊「声が小さいぞォ?ああんっ?」
ひなた「・・・どうしろと仰るんですの」
湊「どうもこうもあるまい!我は今のそなたを否定するのみ!!!」
ひなた「ぐすっ・・・、そんなこと、言われても・・・」
「もう、わからないです・・・わからない・・・」
「ひなたっ、自分がどんな人なのか!分かんないもんっ!」
湊「しょうがない人ですね・・・ひなたさんは」
きっとこの人は、小さい頃から演技ばかりしていて、それが日常だったから・・・混乱しているのだろう。
だから、いつも側で見つめていた僕には簡単な・・・当たり前のことが分からない。
ひなた「お嬢様が、違うなら・・・ひなたって、どんな人?魔界将軍は・・・嘘だもん・・・お芝居なんだもん・・・」
湊「そうですね・・・どっちも、本物のひなたさんじゃありません」
ひなた「全然っ、わかんないよぉ・・・!助けて・・・、からっぽなの・・・見つからないのっ・・・」
湊「・・・そこに、いるじゃないですか」
ひなた「ぐすっ・・・えぐっ・・・、ふぇ・・・え・・・?」
湊「今そこで、泣いているあなたが、本物じゃないですか」
「泣き虫で、甘えん坊で、子供っぽくて・・・」
「自分が分からなくて、悩んで、迷走ばかりしていて・・・」
「そんな・・・邪気眼使いじゃなくても中二病の、迷子の女の子」
「今のあなたが、ボクの好きになった人・・・ひなたさんです」
ひなた「・・・今の、ひなた」
「ぁ・・・あぅあ・・・、な、なんか、恥ずかしい・・・」
湊「誰だって、ちょっぴり演技をしながら生きています」
「きっとそれは、裸の心にまとうお洋服みたいなものです」
「だから、ちゃんと本当の自分を見つけたら・・・、お気に入りの服を着てもいいんじゃないでしょうか?」
「それが好きなら、いつまでも子供服を着ていてもいいじゃないですか」
「気に入らない、似合わない演技をずっと続けることはありませんよ」
ひなた「だけど、そんなの・・・みっともないのだ」
湊「はい。だから、TPOに合わせて着替えましょう。大人なんて、きっとそんなものですよ」
「いつも、同じ自分でいる必要なんて、どこにもありません」
「だから、ひなたさん・・・。今はボクと同じ服を着て、遊んでくれませんか?」
・・・
湊「フハハハッ!!さあ選ぶがよい、偽りの姿をっ!我は来る者を拒まぬ!去る者を追うこともせぬッ!」
ひなた「くすっ・・・お姉さま、めんどくさい人なのだ」
湊「ククク・・・自己紹介かな、それは?」
ひなた「だよねぇ・・・?理解されない自分、最高だよ・・・」
「でも・・・だからこそ。一緒に遊べる人と出会えるのは、本当の奇跡みたいで」
ひなた「クク、お姉様・・・否、魔王様よ。きっと、我らの歩む道は黒歴史となるのだぞ?」
湊「フッ、そなたと共に歩めるなら、望むところである」
ひなた「左様か、ククク・・・ならばよかろうっ!」
湊「フハハハ・・・!征くぞ、我が覇道を・・・!我にはそなたの力が必要だ!」
ひなた「魔王様に忠誠を・・・!この東方将軍に委細お任せあれ!」
湊「否!ただの忠誠など我は求めぬ!身も心も、そなたの全てを我に捧げるのだ・・・!」
ひなた「ふぇっ・・・?ま、魔王様・・・?」
「あの、あの・・・それって、プロポーズなのだ?」
湊「・・・さ、左様っ!返事をするがよい!」
ひなた「え、えっと・・・あの・・・」
「えへ・・・魔王様に、生涯の忠誠を・・・!」
湊「・・・よろしく頼みます、東方将軍」
ひなた「うんっ♪」
こんなおかしなプロポーズは、そうそう無いと思う。
でも、これでいい。僕たちは──これでいい。
いつか二人の間に子供が出来て、プロポーズの言葉を聞かれたら・・・きっと揃って枕に顔を埋めてバタバタするのだろう。
だけど、僕らの黒歴史は──大切なものだから。
ひなた「魔王様、大好き・・・なのだっ♪」
・・・
さいっっこうだああああああああああああああああああああ
いや、最高じゃないですか?
正直最後の展開は読めていたところではあります。
ハッキリ言って予想通り。
でもそれがすとーんと落ちてくる、いいエンディングでした・・・
特に読み解くのに難しい部分は無かったと思います。
もうその通りなんですよ。
ひなたの本当の問題は「自分がない」こと。
その答えは湊はもちろんですが、プレイした皆さんもわかっていたことではないでしょうか。
「泣き虫で、甘えん坊で、子供っぽくて・・・」
「自分が分からなくて、悩んで、迷走ばかりしていて・・・」
「そんな・・・邪気眼使いじゃなくても中二病の、迷子の女の子」
「今のあなたが、ボクの好きになった人・・・ひなたさんです」
私は特に泣き虫で甘えん坊で子供っぽいってところが本当にひなたの好きなところなんですよね・・・
共通ルートでみた甘えん坊のひなたさん、本当に可愛かった。
このシナリオを作った人が「ひなた」というキャラクターを愛していることが伝わってくるようで私は感動してしまいました。
本当の自分を見つけたなら、場合に応じて自分の思うように振る舞えばいいと。
成長するとは、大人になるというのは多分そういうこと。
それこそが本当にひなたというキャラクターの将来を見出した結論ではないでしょうか。
そしてなぜここまでの大舞台を用意したのか。
一つはひなたの心を揺さぶること、二つは普段できないような口調で深く入りこんで振る舞えるように、三つは一生この黒歴史に付き合う覚悟の表れだと思います。
今までは少し乗り気ではあったもののひなたの設定に合わせていたのですが、今回は本当の意味で初めて湊が作った設定なんですよ。
それこそが本当に中二病についていくという覚悟を示すことになるでしょう。
なぜ中二病の女の子でなくてはならないのか、そんなもの本人の言う通り我が儘でしかありません。
中二病の女の子を好きになったから。
しかし、そこで相手のことを思いやった解決策まで見出だし、自分自身が中二病の世界を作り込むことで「孤独は嫌だ」と言っているひなたに寄り添う人間になると、自分自身を投げ売ってでも訴えかけているわけですね。
王道とテンプレって違うと思うんですよ。
今までに見たことあるようなシナリオでもしっかりとキャラの関係性や感情的な部分をしっかりと作りこむのが王道、今まであったものを張り付けていくのがテンプレじゃないかなーって私は思ってます。
初心者視点の意見ですが、エロゲ―ってシナリオが今までにない新規性が割と重要視されてるなーと個人的にはおもっています、しかし、目新しいシナリオでもキャラクターの感情をおざなりにしてしまうとただシチュエーションで楽しんでるだけでヒロインの魅力に気が付けなくなることもあるのではないでしょうか。
もちろん今までにない革新的なシナリオを生み出していくのがエロゲ―の良いところではあると数少ないプレイ作品からそう思っているのですが、ヒロインとどんな恋をして、どんな人間模様が見えるのかというのも大切だと思っています。特に私はその部分がないとあまり評価が上がらないと思います。あくまで個人的な感想ですが。
ひなたちゃんルートの考察はここまでとさせていただきます。
個人的にもう少し好きなポイントをちょっとあげさせてもらうと共通ルートの下のシーンですね。
ひなたというキャラクターの太陽のような温かさが出てくる良いシーンだったと思います。
確か風莉さんと微妙な雰囲気になってるときにひなたちゃんが手を握ってくれた時だったかと。
ひなたちゃんはシナリオ展開こそ王道でしたがそれが枠にハマっていて、求めていたところに落ち着いたという印象でした。
語れることはもっともっとあるのですが、今回の記事はここまでとさせていただきます。
また次回の記事も見ていただけると嬉しいです。
↓他ルート
オトメ*ドメイン 感想 考察 貴船柚子編part1 - lowhigh物のゲーム見聞録
オトメ*ドメイン 感想 考察 大垣ひなた編part2
※注意 以降、ネタバレ要素を含みますので未プレイの方はご注意ください。
↓前回の記事
秘密を打ち明けずにひなたを受け入れてしまった湊。
前回の記事で私は肯定こそしていましたが、明らかにこれは異常です。
湊は風莉からの説教もあり、その秘密をひなたに打ち明けます。
湊「じっ、実はボクっ!男の子なんですっ!!!」
ひなた「・・・?」
中々納得してもらえない湊、まあ当然ですけどね・・・
湊「ああもうっ!これっ、見てください・・・!」
ひなた「お、お姉さまっ?何してるのだ?」
湊「こ、ここっ!触ってみてください・・・!」
ひなた「も、もぉぉ~~♪やっぱりそういうことしたいんだ?ホントお姉さまってばまわりくどいんだからぁ♪」
ひなた「え、えっと・・・」
「ほんとに、おお、オトコ・・・?」
驚いて逃げ出してしまったひなた。
そのことで、湊はひなたに嫌われたのだと判断しました。
実際のところどうなんでしょうね・・・好きな人の性別が違ったという状況になったことがないのでわかりませんけど・・・
うーーーーーん・・・
そんなこんなあったわけですが
その夜、湊が入浴中にひなたが突然浴室に入ってこういいました。
ひなた「今まで黙っていたことは、ちょっと怒ってるのだ。でもよく考えたら仕方ないかなって気もしたのだ」
「とはいえ、もっと早く言ってほしかったのだ。そしたら、女の子同士なのに~とか悩まなくても済んだのに」
湊「すみませんでした・・・」
「えっ?あの、ひなたさん・・・?」
「つまり、ボクが男でも・・・いいんですか?」
ひなた「女の子だから好きになったんじゃないもん・・・。ひなたはお姉様を好きになったんだもん」
あぁ^~~~可愛いですねえ^~
更に賢いですね!非常に利口!
湊に事情があることも理解するひなたちゃんえらいなぁ~
余談はさておき、もちろんひなたは湊という人間を好きになったということにも要因はあると思いますが、一番の要因は自分自身も性別の違いに関して悩んでいたことにあると思います。
この二人は一度だけでも性別の違いというものに悩まされている人間だからこそ共感できてしまうところがあるんですよね。
そうでなければ・・・ここまでスムーズに話はすすまないはずですよ。
ありのままの自分を受け入れてもらえた湊。
こうして二人は本当に分かり合えた関係として結ばれたのでした。
ひなたはその後でこう語ります
ひなた「ほんとはね・・・?旦那様がいてくれて、子供もたくさんいて・・・そういう将来、憧れてたの」
「女の子同士じゃ、普通の家族にはなれないなーって、ちょっぴり寂しかったから・・・だから、ね?」
「お姉さまが男の子で、よかったのだ♪」
これ仲直りえっちの最後の台詞なんですけどね?
やっぱりね、最初に言ったと思いますがこの作品はえっちシーンの台詞も侮れないんですよ。
賢者モードでしっかり見てなかったニキは今すぐじっくり見返してくれ。
この後に続く湊の誓いの台詞もめちゃくちゃ良いんだから。
ここで一つ疑問に思うことがあります。
ここまでのお話で出てきたことですが、ひなたは湊が来るまでとても暗い女の子だったそうです。
今のひなたを見ると、とても想像できないですね。
しかし、これまでのコミュニケーションなどを見てもひなたは一般的な感性や考え方、感受性を持っているようです。
そうであれば、なぜひなたはここまで「東方将軍」でいることにこだわり続けているか。
それは次第に紐解けていきます。
ある日、湊はひなたの違った一面を目にします。
それはいつものひなたとは全く違った、お嬢様のひなたの姿。
礼儀、作法、言葉遣い。その全てが上品で完璧なお嬢様として振る舞うひなたの姿でした。
それを見た湊はその姿もいいと肯定しますが、ひなたはその自分を「偽物のひなた」と言い張り、否定しました。
しかし、その後に湊は今後の学校生活も見据えて普段はお嬢様モードで過ごすことを提案します。
そこでひなたは今までの自分のお話を始めました。
ひなたがなぜ今のような姿になったのか、
ひなたは地元の学校の友達にラノベやゲームやそういう世界を教えてくれたそうです。
ひなた「んふふっ♪二人に出会って、ひなたの世界は変わったのだ」
「二人に出会うまで、楽しいことなんて一つもなかったから・・・」
「ひなたは、お人形だったのだ」
「お金持ちのお嬢様に生まれて、綺麗なドレスを着せられて、可愛い可愛いって褒められて・・・たくさんの、色んな人に撫でてもらって」
「・・・それが、ひなたのお仕事だったのだ」
「パパとママが、自慢の子供でいてねって言うから。ずっとずっと、礼儀正しいお嬢様だったのだ」
「ずっとずっと、自慢のお人形だったのだ」
湊「お人形は・・・楽しくなかった・・・ですか?」
ひなた「楽しいわけないのだ。毎日、言われたことをしてるだけ。空っぽで、退屈で、楽しくないのに笑ってて、何もかも嘘だらけで・・・」
「本当のひなたはこうじゃないって、ずっと思ってた。でも、他にどうすればいいのか、わからなかったのだ」
そんなとき、ひなたと二人は出会ったようで、
それがひなたには気に入り、友達になったそうです。
「ひなたは、お人形以外の何かになりたかった」
「だから、新たな人格が降臨して・・・願いが叶ったのだ♪」
ひなたにとって中二病は自我の芽生えそのものだったと
それを聞いて湊はなぜひなたがお嬢様のように過ごすことを嫌がるのか理解し、もう二度と言わないことを誓いました。
そんな話もあってか、ひなたは久しぶりに昔の中二病仲間と連絡を取ることにしました。
・・・
しかし、連絡を取って会った二人は中二病を卒業しており・・・
ひなたは帰って来てからぼんやりと裸でベッドに座り込んでいました。
ひなた「・・・着る服が、ないのだ」
「二人とも、普通の女の子だったのだ・・・」
「忠告まで、してもらっちゃったの。もうやめた方がいいよ・・・って。その方がひなたんのためだからって」
「わかってるの。本当に、ちゃんと分かってたの。恥ずかしいことだって・・・バカにしか見えないって・・・えへへ・・・」
「ひなたも、そろそろ・・・大人にならないと、だよね?大人は、魔法を信じたりしないよね?」
「魔王軍は、解散なのだ・・・。ばんざーい・・・」
そして、ひなたさんもまた──
中二病からの卒業を、宣言した。
きっとそれは、いつか必ず訪れるはずの瞬間だった。
・・・だから僕も、反対はできなかったのだ。
・・・
そして翌日から、ひなたはお嬢様のように暮らし始めるのでした・・・
ここまでがpart2とさせていただきます。
まずは最後の部分ですが、ひなたにとって昔の友達が中二病を卒業していたことはそこまで傷ついてしまうことなのかという点についてです。
これはひなたちゃんの過去があるからこその感情だと思います。
私はひなたちゃんの過去の話を聞いて
「ひなたちゃんは常識のある赤ちゃんみたいな存在」
だと思いました。
前の学校ということですから3歳の赤ちゃんくらいですかね。
ひなたにとって中二病は自我の芽生えである~というのがあったと思いますが、つまりはひなた自身が意志をもって行動し始めたのはここ最近というわけです。そういう点から私は赤ちゃんと言ったんですよ。
そしてそのきっかけになったのは紛れもなく友人二人だったわけですね。
ひなたちゃんにとって二人は友達であるのは間違いありませんが、ある種目覚めさせてくれた親のような存在でもあると思うんですよね。
正確には友人二人が、というよりはその世界が、ですけどね。
しかし、その世界が二人の中二病とともに崩れ去った。
そんな感覚だと思います。
そして一番ここまで追い込んでしまったのは、ひなた自身はまともな感性を持ち合わせてるってことにもあるんですよね・・・
ずっとおかしい、恥ずかしいとわかっていながら中二病を続けていた。
それは他に自分だと思える人格がなかったから。
では最後に今回の問題のポイントをまとめます
問題は「ひなたがまたお嬢様のように暮らし始めた」ということです。
ポイントは
・今までの中二病のひなたに比べれば格段に社会に適応しており、ひなたの言う通り「大人になった」と言えば理解される振る舞いであるということ
・それをひなた自身が十分に理解していること
・お嬢様モードのひなたは完璧な女の子であるということ
の三点くらいですかね。
この問題を湊が解決するところから次回の記事で書いていこうと思います。
ここまで見てくださりありがとうございました!次の記事も見ていただけると嬉しいです!
↓次の記事
オトメ*ドメイン 感想 考察 大垣ひなた編part1
※注意 以降、ネタバレ要素を含みますので未プレイの方はご注意ください。
オトメ*ドメイン二番目の攻略ヒロインは
大垣ひなたちゃんです。
共通ルートが終わり、ひなたは誕生日プレゼントとして湊に携帯ゲーム機を送ります。
それはひなた自身の趣味でしたが、共通ルートの時点で湊がこのような趣味にも興味があるとわかっていてプレゼントしたのでしょう。
その一番の目的はやはり、一緒に遊びたかったから。
湊が部屋に戻って少し経ってからひなたが湊の部屋を訪ねました。
ひなた「あ、あのね・・・?大したことじゃないんだけど」
「これ、一緒に遊びたいなって・・・思って」
湊は快くひなたのお願いを受け入れます。すると・・・
「あれ・・・、あはは、ひなた、どーして泣いてるのかな・・・」
ひなたはたまらず涙を流します。
これはもちろん自分の趣味があう人と遊ぶことができるというニュアンスもあるとは思いますが、それ以上にここで感じるのは安心、ですね。
もしかしたらいなくなっていたかもしれない存在。
その湊とまたこうして話すことができて、一緒に遊んでくれる。そのことが嬉しくてたまらなかったのだと思います。
さらにもう少し深読みするのであれば・・・自分が湊に対して何もできなかった無力感というものもあるかもしれませんね。
ひなたにとって湊はそこまで大切な人間になっていたわけです。
この学園で過ごす上では唯一の理解者と言ってもいいかもしれません。
そのことは湊にとってはとてもうれしいことで、自分を必要としてくれる存在は自分のいる意味を確認できるとても大切な人になるのでした・・・
・・・
それから、湊とひなたは共通の趣味を介して仲良く過ごすことになります。
ここからがヒロインひなたの真骨頂!
年下の幼いロリボイス!好きなことにはまっしぐら!根が良い子だからすぐ中二病が解けてしまう!
こんな甘々な年下ヒロイン、好きにならないわけがないんだよなあ!
まあ・・・やった人ならわかるでしょう・・・
自分は今まで年下ヒロインにはあまり惹かれなかったんですが・・・このひなたちゃんの持つパワーは恐ろしいですね・・・
ヒロインに順位をつけるのはナンセンスではありますが、一人選べと言われれば迷わずこの娘を選びます。
つまりは!ひなたルートの序盤はただ可愛いが詰まってるだけで説明不要ってことですよ。
そんなふうに毎日仲良く過ごしていった湊とひなた。
次第にひなたは湊に惹かれていきます。
これは湊と趣味が合うということも大きいと思いますが、共通ルートでひなたを助けたことの方が大きいでしょう。
ひなたにとって湊はあこがれの存在。強くて、カッコよくて、何でもできる。
そんな湊が趣味もあって、困った顔一つせず、楽しく一緒に過ごしていくことでその魅力にどんどん惹かれていったのだと思います。
しかし、一番の問題点がひなたが湊のことを女の子だと認識していることでした。
そんな中、湊は担任の先生にひなたが学校で孤立していると話を持ち掛けられます。
そして湊にそれをどうにかしてほしいとお願いされてしまいました。
湊自身もそのことは気になるようで、ひなたに真面目な話し合いをします。
ひなたは周りの環境が嫌なわけではなく、湊のところへ行きたいからいっているのだと訴えかけますが、湊も自分のクラスで居場所を作ってほしいという気持ちで少し突き放して自分のクラスで生活するように言いました。
しかし、そんなことを言ってしまったことを湊はすぐに後悔してしまいます。
もう入学してから1カ月半は経ったくらいだと思います。
すでに教室内のコミュニティができあがり、会話に入りづらい環境。
そんな彼女にただ突き放すだけで何もしてやれない自分がいて、
そして最初からそれを言ってあげられなかったことを反省します。
そこで湊がとった行動が・・・
湊「あのっ!魔王軍に、ボクを加えてくださいっ!!」
湊としてはひなたにこのままでいて欲しくはない、クラスに自分の居場所を作ってほしい。しかし、そこで自分ができることはなにか考えた上で湊がひなたの心の支えになることを選んだのだと思います。
しかし、これは湊がひなたに心の距離を寄せる初めての瞬間でした。
湊は今までの話を見ても基本的に受け身であることが多く、自分から心の距離を踏み込んで行動することは多くありませんでした。それは身内がおらず距離を詰めることに躊躇いがあるなどの理由があると思います。
しかし、だからこそ、湊が距離を詰めるということはひなたへの気持ちが動いている表れでしょう。
それは結果的にひなたちゃんの気持ちを加速させていきます。
そして、その気持ちが恋であるということも理解します。
しかし、ひなたは湊のことを女の子だと認識しているので現実でそんな気持ちを伝えてしまったら嫌われると思い、自分の気持ちを隠そうと思うのですが・・・
それとは裏腹に抑えきれない気持ち。
このあたりの感情の動きが非常に艶めかしくて、ドキドキしてしまいます。
今までと変わらない距離で接する湊に、ついにひなたは・・・
ひなた「お姉さま・・・」
「あの・・・ね?魔王軍に入るには、契約の儀式が必要なの」
「儀式・・・してもいい?」
「動かないで・・・ね?ひなたが、するから・・・」
湊「キスが、契約の儀式・・・ですか?」
「それだけ・・・ですか?」
「他の意味はないって、思うべきですか・・・?」
ひなた「・・・違う、のだ」
「す、好きっ・・・なの・・・」
「お姉さまが好き・・・恋愛って意味で、大好きなのっ」
湊「・・・でも、女の子同士ですよ?」
ひなた「わ、分かってる・・・けどっ!でもねっ?お姉さまの側にいると、ドキドキするの・・・顔が熱くなっちゃうの・・・」
「これって、風邪とかじゃないよね・・・?絶対、お姉さまが原因だもんっ!病気は病気でも、恋の病・・・だよね?」
「あは・・・、やっぱり、変だよね?女の子同士で、こんなの・・・気持ち悪いよね?」
湊「それは・・・」
ひなた「ご、ごめんね・・・?こんなの、迷惑っ・・・だよね?でも、どうしてもっ・・・、告白、したくて・・・」
「嫌だったらっ、いいっ・・・からね?振られても、平気だし・・・、嫌われても・・・仕方がない・・・から」
結論なんて、一つきりだった。
僕はひなたさんを哀しませたくない。
それ以前に、断りたいなんて気持ちが欠片も浮かばない。
湊「・・・ボクも、好きです」
ごく自然に、唇がその言葉を紡ぎだした。
「ひなたさんのこと、好きです・・・女の子同士でも」
ひなた「嘘、ついてない・・・?無理してない・・・?」
湊「本当ですよ。ボクは・・・女の子が好きなんです」
ひなた「あ、あは・・・、じゃあ本当に?お姉さま、女の子が好きなのだ・・・?」
湊「正確には、ひなたさんは好きなんです。好きになった人が、たまたま女の子だったんです」
ひなた「そ、そっか・・・、うん、ひなたもそんな感じ・・・」
湊「ふふっ、ボク達、相思相愛ですね・・・?」
ひなた「うんっ♪」
こんな幸せそうなひなたさんを、僕は初めて見る。
今の微笑みを、ほんの少しでも曇らせたくなかった。
だから、彼女の気持ちの全部を受け止めたくて──
ひなた「あの、お姉さま・・・もう一回、儀式してもいい?」
湊「・・・もちろん」
ひなた「今度は、恋人の契約・・・なのだ・・・」
・・・
以上がひなたルートの告白シーンまでのお話でした。
このシーンを見て何ともむず痒いなあと感じる人は多いですよね。
かく言う私もむず痒く感じる一人なのですが、湊の考えていることからすればこの行動は正解、なんですよね。
選択肢はたくさんあったはずです。
・男であることを告白し、受け入れる。
・男であることを告白し、断る。
・男であることを告白し、考え直してもらう。
・男であることを隠し、断る。
・少し考える時間をもらう。
しかし、そんな中で
・男であることを隠し、受け入れる。
という選択は、同じ性別を持つ人とわかっていながら告白してきたひなたに対しての最大限の配慮だと思います。
この選択が、ひなたにとって一番よい結果をもたらす選択だったんですよね。
ただし、その場限りの話ですが・・・
その代わりに、湊自身問題ができてしまいました。
男であるということを隠して恋人になってしまったこと。
ひなたは女の子である湊に告白をしました。
それが実は男だったら・・・
彼の優しさであり、弱さでもあると思います。
相手の気持ちや問題を受け止めて、自分の問題にしてしまいました。
前から思っていたんですが既プレイ向けの人に書いているんですから次はどうなっていくのでしょうかみたいな言葉はいらないですよね。
ここまで見ていただきありがとうございました。
次の展開の考察も見ていただけるとありがたいです。
↓次の記事
オトメ*ドメイン 感想 考察 貴船柚子編part3
※注意 以降、ネタバレ要素を含みますので未プレイの方はご注意ください。
前回の記事↓
前回のあらすじ
無事二人の思いが実り付き合い始めた湊と柚子。
しかし柚子はもう一人のヒロイン、風莉が湊のことを好きだと気が付いてしまう。
柚子は風莉の方が湊に相応しいと思い、
その思いを誰にも告げず湊に別れを切り出す。
・・・
別れを切り出された湊は一人部屋にこもってしまいます。
そこに帰ってきた風莉さん。
柚子から話を聞いて真実を聞こうと湊のところへ駆けつけたようです。
風莉「湊は一人なんかじゃないわ・・・。あなたには、私がついているもの」
湊「やめてください・・・すがりたくなってしまいます。」
風莉「そう・・・ね。卑怯だわ・・・こんな言い方は」
風莉はずっと柚子を近くで見ていたからこそ、
柚子が本当に湊のことを好きである。
と湊に伝えます。
湊「・・・もしかしたらそうなのかもしれません」
「でも、柚子さんはボクのことより、お家の事情を優先したんです・・・それは変わりません。」
しかし、風莉はそれに続けて否定します。
それも違う。本当の理由が別にある・・・と。
この記事では紹介しませんでしたが、
風莉は付き合い始めた湊と柚子をずっと監視していました。
それは「二人が不祥事を起こさないように」という名目もありますし、
自分が湊と結ばれる可能性を確かめるという意味もあると思いますが、
一番の目的は「二人の関係をしっかり見守る」ということにあったと思います。
大好きな湊がこれから本当に幸せになってくれるか、その意味も込めて二人のことを見ていたのでしょう。
そして二人の関係をちょうど見極めるくらいのタイミングで柚子は風莉が湊のことを好きだと気が付いてしまいこの状況になってしまっているというなんともタイミングの悪い状況というわけです。
そんな風莉だからこそ、柚子が湊以外に何かを優先させることはないと言い切ったのでしょう。
そんな彼女は、こう続けます。
風莉「あの・・・ねえ、湊・・・」
「私ね・・・ひどいのよ?今がチャンスだって、思ってる」
「あなたの傷につけこむわ。大好き・・・。私なら、絶対にあなたを悲しませたりしないわ」
心からの彼女の告白。
「・・・返事、聞かせて?今すぐに」
「すぐに答えて。私と、柚子の・・・どっちが好き?私は、あなたの一番になりたいの」
これは、本当に彼女にとっての最後のチャンスです。
湊の気持ちをちゃんと確かめる最後の確認であり、一押しです。
ずっと二人を見つめていた彼女には湊がどんな答えを出すかわかっていたことでしょう。
湊「ごめん・・・なさい」
「風莉さんとは、お付き合い・・・できないです」
「・・・ボクが好きなのは、柚子さんですから」
風莉は自分の気持ちを告白し、すぐに返事を問いました。
これは湊の正直な気持ちを聞くためで、考えて答えを出してほしくなかったのでしょう。
そして、湊にとって誰が一番なのか、
それが他人の好意などで変わってしまうものなのかを聞きました。
これは自分にとって柚子がどんな存在なのか再確認させるためです。
ここで湊が少しでも振り向いてくれるのが風莉にとって最後のチャンスだったということですね。
そんな彼女が湊に最後の一押し。
風莉「あなたは、柚子が好きなのでしょう?他の人ではだめなのでしょう?それなのに、諦めるの?」
「迷っていても、悩んでいても、どうにもならないわ」
「待っているだけだと、手遅れになるわよ?私みたいに」
この柚子ルートの風莉は報われない結果ではありますが、本当にこのキャラクターの魅力が垣間見えるなあと思いました。
下手すると風莉ルートより魅力的な部分も見られるのでは・・・?と思ってしまう自分もいます。
風莉「女の子はね?いつだって・・・王子様がさらってくれるのを、待っているのよ?」
その言葉を風切りに湊は部屋を飛び出した湊でしたが、
既に寮に柚子の姿はありませんでした・・・。
・・・
実家に帰ってきた柚子
自分が残してきたいろんなものについて考えを巡らせます。
しかし、湊のことを思い返して、自分がしたことも思い返します。
その姿は無気力とでも言えばいいのでしょうか。
自分が一番大切にしていた人も、気持ちも捨ててきてしまったわけですから。
どうやっても拭いきれない後悔の念が彼女に残ります。
そんな風に家の外で考え事をしていた柚子でしたが、
そこに母から一本の電話が入ります。
「理事長さんと・・・お友達がもう一人、いらしてるわよ」
急いで帰ってきた柚子
柚子「・・・やっぱり、風莉さんと湊くんですか」
「どうしてこんなところにいるんですか?訳が分からないですっ」
柚子の母「いいから座りなさい」
柚子が来る前に柚子の母と湊、風莉はすでに色々な話をしていた様子でした。
湊が男であるということも。
風莉「湊、もう一度さっきの台詞言ってみたら?」
湊「えええっ・・・!?また言うんですかっ!?」
「あれって人生で一度きりだって思ってたんですがっ!」
柚子の母「ふふっ、でも柚子にも聞かせてあげたいわ」
「ほらほら、言っちゃいなさい?ここで言えないような気弱な人だと、認めませんよ?」
風莉「湊、無駄な抵抗は諦めなさい?」
湊「分かりましたよぉ・・・」
覚悟を決めて、姿勢を正す。
そうして、柚子さんのお母さんにまっすぐ目を向けて。
湊「お、おおおお嬢さんをっ!ボクに下さいっ!」
柚子の母「ということを、ついさっき言われたのよ?」
湊「い、言いました!返事はまだいただいていませんっ!」
柚子「なっ・・・ななななっ!?」
「ちょっ・・・なななに言ってるんですかっ!?私お見合いするんですよ!?」
どうやら湊たちが考えていた柚子の母という想像とはかけ離れていたようで
柚子の母親は将来結婚してくれる相手もいないだろうということで結婚相手を勧めていたそうです。
しかし結婚してくれる相手がいるなら万々歳と、二人の交際を認めてくれます。
しかし、今までお見合いを断り続けてきた柚子がいきなり受けると言い出したわけですから何か事情があるのだろうということで柚子の母と風莉は席を外し、二人きりで話し合う時間を作ってくれました。
湊「えっと・・・あの・・・お話・・・させていただけますか?」
柚子「はい・・・」
柚子「・・・ずるいです」
「外堀から埋めてくるなんて、本当にずるいです」
湊「すみません・・・。でも、柚子さんがお家の事情を優先なさるなら、これが筋かなって思ったんです。」
柚子「こうして、迎えに来て下さったのは・・・嬉しいです。でも・・・」
湊「あの・・・柚子さん」
「実は柚子さんに振られた後・・・風莉さんに告白されました。」
柚子「・・・そう、ですか」
湊「驚かないんですか?」
柚子「予想していた通りの展開ですから。でも・・・」
「・・・なのに、ここに来てしまったんですね」
湊「はい・・・お断りしました。ボクが好きなのは、柚子さんですから」
柚子「振られたのに・・・ですか?」
湊「たとえ柚子さんがボクをどう思っていても、ボクが柚子さんを好きな気持ちに変わりはありません」
柚子「そんなの・・・困ります」
湊「先に、お義母さんの方に言っちゃいましたけど・・・。後回しになってしまって申し訳ないですけど・・・」
湊「柚子さん・・・ボクの、お嫁さんになってください」
柚子「・・・・・・・・・」
「・・・お断りしたら、どうなりますか」
湊「ボクが不幸になります。全部忘れて、風莉さんと幸せに暮らすとか・・・ないと思います。」
柚子「・・・そう、ですか」
「もう・・・っ、まったくもう・・・っ!これじゃ断れないじゃないですかっ」
「ごめんなさい・・・、ごめんなさいですっ!」
「酷いこと言って、ごめんなさい・・・!遊びだったとか、そんなの嘘です・・・大嘘なんですっ!」
「大好き!私、許されないことしたのに・・・!それでも私を選んでくれてっ!嬉しいですよぉ・・・!」
「い、今さらっ、ですけど・・・!湊くんが好き・・・!許してもらえるなら、私っ、あなたのお嫁さんに・・・!」
湊「柚子さん・・・もう泣かなくていいですから」
「一緒に、帰りませんか・・・ボクらの家に」
柚子「湊くん・・・♪はい・・・はい・・・っ!」
「もう、一生ついていきますから・・・!」
・・・
そうして、柚子ルートは無事エンディングを迎えるわけです・・・。
では最後の部分をいろんな面から考察してみましょう。
実は今回の記事は引用を少なめにして自分の文章を多めに書いてみようと思ったのですが・・・やはり最後の部分と言いますか・・・作品の魅力的なところは自分の文章だけでは言い表せませんね・・・
外堀を埋める、という表現があったと思います。
これは柚子が表面上言っていた湊と別れるための理由を無くすということですが、
これにもたくさん方法はあったと思います。
つまりは柚子を正直に気持ちを吐き出す状況を作ればいいわけですから、
例えば「本当はそう思ってないですよね?本当の理由を教えてくれませんか?」
とか言ってもその表向きの理由を失くすことはできますからね。
しかし、湊はそれをしませんでした。
親に結婚させてもらう許可を取り、柚子がお見合いをしなくてはならないという理由を取っ払ったわけです。
これこそが湊のいう筋なのでしょうね。
そしてこの柚子ルートの一番の見所の二人で話し合うシーンについてです。
ここで一番素晴らしいなと思ったのは、柚子が湊になぜ別れようと言ったのか、その理由を一切聞いていないところなんですよ。
湊は柚子の実家に来てから色々なことを確かめていました、
それは柚子という人が本当に心優しい人間だということを確認し
柚子には何かしら湊と距離を取りたい理由があるのだということを知るために。
しかし、その理由は聞きません。
自分にとって柚子がどんな存在なのか。
柚子が思うような幸せは、相手は望んでいないし、それは叶わないと伝えるだけです。
柚子がどんなことを考えていようとも、自分が柚子のことが好きだということは変わらない。一番が柚子であるからこそ、柚子と結ばれることが自分にとって一番の幸せであるということです。
これは柚子の考えていた葛藤の答えになるんですよね。
相手にとって誰が相応しいか、そんなことは関係ないんです。
柚子が考える幸せは相手にとっての幸せとは限りません。
寧ろ柚子と結ばれることこそが唯一の幸せだと、そう答えているわけです。
いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー素晴らしい。
ここまで完璧なシナリオを魅せられてしまうと素晴らしいしか言えなくなってしまいます。
何も言葉を求めずにさらいに来た湊はまさに「王子様」でした。
私がさらに伝えたいことは、
「湊という主人公がいかに男らしいか」
ということなんですよ。
私は18禁PCゲームこそやるのはこれで二作目ですが、今までいろんなアニメを見て来たりゲームをしてきたりしました。
もちろんヒロインも魅力的なんですが、ここまで主人公が魅力的でキレイなシナリオを見るのは初めてくらいの衝撃でした。
その姿こそは女の子のように可愛らしいですが、
その行動は男らしく、筋が通っている。
これこそがオトメ*ドメインの最大級の魅力だと思うんですよね。
ここまで主人公に魅力を感じた恋愛ゲームは初めてかもしれません。
これから他のルートも交えて、その魅力について語っていきたいと思います。
ここまで見ていただきありがとうございました。
また見ていただけると嬉しいです。
↓他ルート
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